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令和版三枚のお札(おふだ)-“お題チャレンジ #25:「人外の伴侶」”応募作品

令和版三枚のお札(おふだ)-“お題チャレンジ #25:「人外の伴侶」”応募作品

更新日時: 2026-08-19 04:28:39
言語:  日本語12+
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令和版三枚のお札(おふだ)-“お題チャレンジ #25:「人外の伴侶」”応募作品


皆さまご存じ日本の有名な昔話・怪談である『三枚のお札(おふだ)』。  今回のお話はその令和版と来たもんだ!!  果てさて、この怪談はどうなってしまうのか?  怖いのか怖くないのかよくわからない『令和版三枚のお札(おふだ)』! 乞うご期待!!


“お題チャレンジ #25:「人外の伴侶」”応募作品です。


今日のテーマ: 「お題チャレンジ」 お題チャレンジ #25:あなたの伴侶は、人ならざる者 「お題チャレンジ」^人外の伴侶 お題チャレンジ:怪物の花嫁 今回のテーマ:夫は人ならざる者


この作品は、プロットを私自身が考え、小説家で本文を執筆しました。 表紙絵はChatGPTで生成しました。


小説家 【Gemini 3.0 Flash】読みやすく、扱いやすいモデルです。文章力と完成度のバランスが良く、高コスパ。連載作品に最適で、手間がかからず万能です。短い指示(プロンプト)からでも、完成度の高いストーリーを生成できます。


文章力4/5 応答速度4/5 リソース消費1/5 注意事項: 手がかりが非常に多い場合や、伏線が長期にわたる場合は、時折ユーザー自身で「ストーリーのすり合わせ」を行う必要があります。設定の矛盾を防ぐため、資料追加機能を積極的にご活用ください。


エピソード1

第一章


春先。湿り気を帯びた風が、由美の頬を撫でていく。

その風には、どこか甘い、嗅いだこともないような花の香りが混じっていた。


小清水由美は、自分の心臓の音が、厚い胸の肉を突き破らんばかりに高鳴っているのを感じる。

視界の端で、長い茶髪が揺れた。

眼鏡の奥の瞳は、潤んでいる。

一週間前、街角で肩が触れ合っただけのその「彼」からプロポーズをされた時、由美の思考は真っ白な霧に包み込まれた。

名前すらよく知らない。

年齢も、職業も。

ただ、その男の細い指先と、影のある微笑みを見た瞬間、由美の奥底で何かが弾けた。

それは恋という名の、抗いようのない暴風。


「由美、正気なの?」


親友の里子が、縋るように由美の手を握ったのは、つい昨日のことだ。

里子の赤い守護石、ローズクォーツが、夕陽を浴びて不吉なほど赤く光っていた。

里子の声は、震えていた。

由美には分かっていた。

いつも自分を支えてくれる、明るい太陽のような親友が、どれほど真剣に自分を案じているか。

けれど、由美の脳内では、彼が囁いた甘美な言葉だけが、壊れたレコードのように繰り返されている。

『君を、僕の特別な花嫁に迎えたい』

その言葉を思い出すだけで、膝の力が抜け、下腹部が熱くなる。

由美は、里子の忠告を、まるでお節介なノイズのように聞き流してしまった。


「ごめんね、里子。でも、私……あの人と一緒にいたいの」


由美の言葉に、里子は深く、絶望に似た溜息をついた。

そして、由美の手に、古びた三枚の和紙を押し付けた。

墨の香りが、由美の鼻を突く。

それは、どこか冷たく、刺すような感覚を伴っていた。


「……これを、持っていきなさい」

里子の瞳が、真剣な光を宿している。

「もしも、何かに迷ったら。命の危険を感じたら。それを一枚、化け物……いえ、あなたの信じられないものに向かって投げつけるのよ。分かった?」


由美は、里子のその時の表情が、なぜか脳裏に焼き付いて離れなかった。

真心。

そう、里子はいつだって、由美を、自分のこと以上に大切に思ってくれている。

由美は、里子への感謝を胸に、首から下げたラピスラズリの守護石に触れ、三枚の護符を鞄の奥に仕舞い込んだ。


そして今。

由美は、山奥にひっそりと佇む、彼の屋敷の前に立っていた。

黒い瓦屋根が、月明かりを浴びて、濡れた蛇の鱗のように光っている。

空気は冷え切り、木々のざわめきが、まるで遠くで誰かが啜り泣いているようにも聞こえる。

由美は、自分の重たい胸を抱えるようにして、一歩、足を踏み出した。

彼が待っている。

愛しい人が、待っているはずだ。


「……おかえりなさい、由美さん」


屋敷の中から現れた彼は、相変わらず美しかった。

けれど、その影は異常に長く、足元で蠢いているように見える。

招き入れられた部屋は、薄暗い。

畳は擦り切れ、どことなく、古い血と埃が混ざったような匂いが漂っていた。


「少し、席を外しますね。準備がありますから」


彼はそう言って、襖の向こうへと消えた。

由美は、緊張のあまり、喉がカラカラに乾いていた。

ふと、膀胱のあたりに、重い圧迫感を感じる。

緊張が、体の機能を過敏にさせている。

由美は、静かに立ち上がり、廊下へと出た。

トイレを探して、長い廊下を歩く。

床板が、ギィ、ギィと、嫌な音を立てた。


廊下の奥。

半分開いた襖の隙間から、話し声が聞こえてきた。

それは、彼の声だった。

けれど、先ほどまでの優雅さは微塵もない。

粘りつくような、卑猥で、禍々しい響き。


「……ようやく、連れてきたぞ。あの豊かな乳、あの溢れんばかりの肉……」

グチャリ、と、何かが潰れるような音がした。

「あれを、まずはじっくりと嬲り倒してやる。おねしょをするまで恐怖を刻み込み、恥辱に塗れたその姿を、我らの主の祭壇へ捧げるのだ。あのアピールばかりがうるさい女の顔が、絶望に歪む瞬間が待ち遠しい……」


もう一人の、嗄れた声が応える。

「クケケ、あの眼鏡もいい。あれを割って、盲目になったところで、我らの種を孕ませてやろう。妖怪の子供を産む苗床には、あのような強情な処女が一番だ」


由美の全身から、血の気が引いた。

眼鏡のレンズが、恐怖で白く曇る。

恋の霧が、一瞬にして凍りつき、砕け散った。


いつの間にか化け物にかけられていた「まじない」が解けたのだ。


由美は、自分の愚かさに震えた。

里子の言葉が、雷鳴のように脳内に響く。

あれは、人じゃない。

あれは、私を愛しているのではない。

私を食らい、汚そうとしている、化け物だ。


由美は、音を立てないように、けれど必死の思いで玄関へと向かった。

サンダルを履く暇もない。

裸足のまま、板間を駆け、土間を蹴って、外へと飛び出した。


「……逃がさんぞ、花嫁!」


背後で、屋敷の壁が内側から弾け飛ぶような音がした。

振り返る余裕はない。

けれど、気配で分かった。

巨大な、黒い塊が、凄まじい速さで迫ってきている。

それは、先ほどまでの「彼」の姿を、無残に引き裂いた化け物の本体。

幾百もの足が地面を叩き、腐った肉のような臭気が追い風となって由美を襲う。


「助けて、助けて……、里子……っ!」


由美は、走りながら鞄を探った。

指先が、和紙の感触を捉える。

一枚、引き抜いた。

里子の護符だ。

由美は、後方の闇に向かって、全力でそれを投げつけた。


「お願い……止まって!!」


護符が、夜の闇を裂いて飛ぶ。

青白い火花が散った。

変化が起きた。

けれど、それは古今東西の伝承にあるような「大河」でも「火の海」でもなかった。


ドサッ、という重量感のある音。

化け物の足元に、黒い、プラスチックの筐体が現れた。

それは、月光の下で、異様な存在感を放っていた。

幅の広いボディ。

左右に配置されたボタンと十字キー。

そして、中央で怪しく輝くバックライト付き液晶画面。


「……な、なんだ、これは……?」


化け物の足が止まった。

その三対の目は、地面に転がる「それ」に釘付けになっている。

電源が入る。

画面に、青いハリネズミが駆け抜ける映像が映し出された。

「セーガーー♪」という、あの独特のサウンドロゴが、静まり返った山道を震わせる。


「う、うおお……!! なんだ、このフルカラーの美しさは!!」

化け物は、由美を追うことも忘れ、その筐体を両手で……いや、爪で掴み上げた。

「ゲームボーイとは違う……! バックライトがついている!! 暗い山の中でも、ソニックが、ソニックが鮮やかに見えるぞ!!」


化け物は狂ったようにボタンを連打し始めた。

「楽しい……! ああ、なんと楽しいのだ!! 花嫁などどうでもいい、俺は今、セガの技術の結晶を手のひらで転がしているのだ!!」


由美は、呆然としながらも、その隙に逃げ出した。

全速力で。

揺れる胸が、肋骨を叩く。

走るたびに、ブラジャーのストラップが肩に食い込む。

痛い、苦しい。

けれど、生きるために。

由美は、なぜか自分の口から、ゲームギアに関する知識が溢れ出すのを止められなかった。


「……すごい、本当に足止めできてる」

由美は、喘ぎながら独り言を漏らす。

「でも、ゲームギアの液晶は、当時の技術としては画期的だったけれど、その代償として消費電力が凄まじい。バックライトを点灯させ続けるには、単三電池が六本も必要なのよ。それなのに、あのお札から出た本体には、当時の標準的な電池しか入っていないはず……」


由美の予感は、的中した。

三時間が経過した頃。

背後の闇から、絶叫が響いた。


「消えた……!! 画面が、赤くなって、消えたあああ!!」


電池切れだ。

山道に、無情な沈黙が戻る。

化け物は、沈黙したゲームギアを地面に叩きつけた。

「……電池が切れただと? まだ、カジノナイトゾーンをクリアしたばかりだというのに……!!」


殺意が、先ほどの数倍に膨れ上がる。

化け物は、再び猛烈な勢いで地面を這い、由美に肉薄した。


「よくも……よくも俺の至福の時間を邪魔してくれたな、小娘!!」


由美は、心臓が口から飛び出しそうだった。

眼鏡がズレ落ち、涙が溢れる。

「なんてこと! やっぱりあのゲームギアについていたのは、当時と同じ性能の単三電池か、セガ純正のバッテリーパックだったのね!!」

由美は叫んだ。

「現代の高性能リチウムイオン電池を入れておけば、最低でも五時間は保ったのに! あるいは、液晶を現代のIPSに交換する改造を施していれば、消費電力を抑えて十三時間は遊ばせられたのに!!」


由美は、自分の胸を両手で押さえながら、必死に坂道を駆け上がる。

「『I'm not BOY. 誰だってBOYを捨てるときがくる』……そんなキャッチコピーでゲームボーイに宣戦布告しておきながら、たった三時間しか保たないなんて、やっぱり無理があったのよ!! 技術が時代の先を行き過ぎていたのよ!!」


由美の嘆きは、夜の森に虚しく消えていった。

背後では、化け物の吐息が、もうすぐそこまで迫っている。

由美の首に揺れるラピスラズリが、絶体絶命の光を放った。


あと二枚。

里子から貰った護符が、残されている。

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