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星の降る夜に ――マッチ売りの少女と、青い封蝋の手紙――

星の降る夜に ――マッチ売りの少女と、青い封蝋の手紙――

更新日時: 2026-05-25 02:00:09
言語:  日本語4+
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説明

原作「マッチ売りの少女」の二次創作小説になります。


キーアイテムは『手紙』。


エピソード1

 十二月の最後の夜が、街の上に静かに降りてきた。

 ここはどこかの北の都市だ——といっても、それほど広くも大きくもない。石畳の通りが何本か網の目のように走り、教会の尖塔が二本か三本、鉛色の夕空に黒く突き刺さっている。裕福な人々が住む通りには、丸い飾り窓がきらきらと灯り、その向こうに暖かな室内の様子がうかがえた。蝋燭の光、揺れるカーテン、テーブルに並んだ燭台、笑い声。

 大晦日の夜は特別だ。人々は年が変わる前に、家族や親しい人々のもとへ急いで帰ろうとする。毛皮のコートを着た婦人が、大きな包みをいくつも抱えた召使いを従えて馬車に乗り込んでいく。帽子を目深にかぶった男性が、小走りに石畳を渡る。どの顔にも、「今夜は特別な夜だ」という意識が浮かんでいる。少年たちは雪の路地を駆け回り、老人たちは杖をつきながら急ぎ足で家路を辿る。街じゅうが、家の光へと引き寄せられていく。

 雪は朝からずっと降り続けていた。もうやむかと思えばまた降り始め、夕方になる頃には石畳の上に指三本分ほどの深さで積もっていた。街灯の光がその白さの上に黄色く溶け落ちて、通りはまるで舞台の上みたいに見えた。しかしその舞台を踏みしめて歩く人々の表情に余裕はなく、みんな早く家に帰りたがっていた。荷物の重さに少し前かがみになった婦人の後ろ姿、石畳の凍った部分を慎重に避けながら歩く老紳士、声高に何かを話しながら連れ立って通り過ぎる若者たち——誰も路地の隅には目をやらなかった。

 街の北の端、市場通りと倉庫街が交わるあたりに、何十年も前から変わらない古びた建物の群れがあった。石積みの外壁は黒ずんでひびが入り、窓ガラスは薄くてがたがたと鳴り、冬になると吹きさらしの廊下を冷たい風が駆け抜けていく。そういう建物の一つに、エーリンは住んでいた。


最新エピソード

終章 青い封蝋のこと

 後から考えると、あの手紙が何かを動かしたのかどうか、エーリンにはよくわからない。

 青い封蝋の温もりを感じたのは本当だった。夢の中でおばあさんがスミレの押し印を見た瞬間に何かを思

最終更新: 2026-05-25
第二十一章 春のスミレ

 それから後のことを、全部書くのは難しい。

 人の生活というのは、一夜で変わることもあれば、少しずつ変わっていくこともある。エーリンのその後は、どちらかというと後者だった。

最終更新: 2026-05-25
第二十章 その後のこと

 夜が深くなるにつれて、ホルム夫人は疲れてきた。

 カール・ホルムは母親が眠れるよう、椅子から寝台に移るのを手伝った。ホルム夫人は「一人でできる」と言ったが、あまり抵抗しなかった。

最終更新: 2026-05-25
第十九章 室内

 「エーリン」

 声がして、目が覚めた。

 どのくらい眠っていたかわからなかった。一瞬かもしれないし、少し長かったかもしれない。カール・ホルムが廊下に出てきて、エーリン

最終更新: 2026-05-25

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