禊巫女退魔録 ― 太古の女王
説明
「過去とは、未来より、ずっと素直なものじゃ。……さあ、来るがよい」
魔を祓う組織・禊機関(みそぎきかん)に所属する巫女の弥祀依与(やまつり・いよ)は、母であり、禊機関の幹部である弥祀妃美子(やまつり・ひみこ)からの指令で、相棒の少年・柴名柊(しばな・しゅう)とともに、山奥の遺跡「黄昏の環」を調査することになった。
そこに現れたのは妖艶な妖魔、禍徒姫(まがとき)。強力な妖力を持つ禍徒姫に敗れた依与と柊は、意識を失う。
目が覚めた二人の目に映ったのは、まるで、弥生時代のような光景。
そこで二人は突然の妖魔の襲撃によって、離れ離れになってしまう。
そんな依与の前に現れたのは、自分の母親・妃美子にそっくりの、ヤマ国の女王ヒミコ。ヒミコに気に入られた依与はヤマ国に迎え入れられる。
一方、柊の前に現れたのは、依与にそっくりの不思議な力を宿す少女・イヨ。ウナ国の族長の娘であるイヨを助けたことで、柊はウナ国に迎え入れられる。
しかし、ヤマ国とウナ国の間に、突如、戦がおこる。
依与はヤマ国の一員、柊はウナ国の一員として、戦場へと進んでいく。
戦場で再会した依与と柊はどんな運命をたどり、どんな選択をするのか。
ヤマ国とウナ国はどうなってしまうのか。
はたして禍徒姫の狙いとは。
過去と未来、祈りと争い、人の絆が交錯する――。
退魔巫女・依与と少年退魔師・柊が挑む、伝奇ファンタジー開幕!
エピソード1

弥祀 依与(やまつり・いよ)
退魔師の組織、「禊機関(みそぎきかん)」に所属する巫女。数百年続く弥祀神社の巫女の血筋。巫女としての強い信念を持つが、素直になれない性格。
———————————————————————

柴名 柊(しばな・しゅう)
「禊機関」に所属する退魔師。依与の幼なじみで相棒。禊機関の一員として、冷静で真面目だが、自己評価は控えめ。
———————————————————————

弥祀 妃美子(やまつり・ひみこ)
依与の母親。
「禊機関」に所属する巫女であり、幹部。落ち着きがあり、不思議な安心感を持つが、禊機関の幹部として強い使命感と、師としての厳しさを合わせ持つ。
最新エピソード
ドサッ、という鈍い衝撃と共に、夏の空が視界いっぱいに広がった。
背中に土の冷たさ。頭上の木漏れ日が白く滲む。境内の裏庭の地面に、俺は完全に仰向けで押し倒さ
静寂に包まれた本殿の冷たい空気を吸い込みながら、私は座布団の上に鎮座する『真雅斎様』をじっと見つめていた。
二千年の時を超えて、私たちの祖先となったイヨと
ジジジジジジジジジジジッッ!!
鼓膜を直接劈くような、狂ったような蝉の合唱。
全身をべっとりと包み込む、茹だるような真夏の熱気と高湿度が、力ず
夜の帳が、山の中をすっぽりと覆い隠していた。
ふと見上げた夜空には、息を呑むほど美しい群青色が広がり、頭上を斜めに切り裂くようにして、白く輝く天の川が横たわっている。
<







