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父を探して何海里?

父を探して何海里?

更新時間: 2026-10-15 06:28:52
語種:  日本語12+
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5 評分
9
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简介

探検家アレハンドロが航海に出たまま、消息を絶った。


父アレハンドロの行方を追うため、娘のマールは自ら船長となり、大海原へ旅立つことを決意する。相棒は、幼い頃からの腐れ縁であるガト。航海士のディエゴ、船大工のラモン、コックのロサ、見習い宣教師のミゲルなど、個性豊かな仲間たちも集い、未知なる海へと帆を上げる!


しかし、彼らの行く手には、様々な海の危険が待ち受けていた。次々と襲いかかる困難を乗り越えるマールたち。だが、彼らを脅かす「敵」は、どうやら海の上だけにいるわけではないらしい……?


果たしてマールは、父アレハンドロとの再会を果たし、無事に故郷へ帰り着くことができるのか。そして、長い航海の果てに、彼らが目にするものとは__。


これは、父を探す少女船長と、その仲間たちが繰り広げる、大海原の冒険譚!


※本作はフィクションです。大航海時代、女性が航海に参加したり船長を務めたりすることは極めて異例でした。本作はその時代を舞台に、ひとりの少女船長の冒険を描きます。


章節1

〈ラ・ルナ・エランテ〉__「さすらう月」なんて洒落た名前がついているが、その実態は潮風に焼かれた頑丈な探検船だ。三本のマストが朝焼けの空に向かって背伸びをし、使い込まれたロープが軋んだ音を立てる。二十八本の骨を剥き出しにしたような骨太の帆船。こいつが俺たちの家であり、戦場になる。


港は夜明け前から大騒ぎだ。積み込まれる水樽、干し肉の入った重たい麻袋、それから喧嘩っ早いカモメどもの鳴き声。おこぼれにあずかろうと、野良猫どももそこらをうろついている。


「さあ! 野郎ども、準備はいい!? 今日からあたしたちの冒険が始まるのよ!」


波止場の真ん中で、朝日を背負って仁王立ちしているのが、我らが船長マールだ。

十八歳。まだ小娘と言っていい年齢だが、その存在感はそこらの野犬より強烈だ。赤みがかった栗色の髪をポニーテールにして、白いブラウスに鮮やかな深紅の胴着。その胴着が、彼女が動くたびに「これでもか」と、はち切れんばかりの爆乳を強調している。腰のくびれから安産型の豊かな尻にかけての曲線は、まさに海の女神がご機嫌な時に作り上げた傑作だろう。


「この航海の目的はただ一つ! 行方不明のあたしのお父様、アレハンドロを見つけること! いい? 海の果てまで追いかけるわよ!」


「おおおおおっ!」

「ついてくぜ、船長!」


船員たちが拳を突き上げる。どんちゃん騒ぎだ。

まったく、朝っぱらからよくもまあそんなに声が出るもんだ。俺は物陰で欠伸を噛み殺しながら、この熱狂の渦を冷めた目で眺めていた。


(やれやれ……。お祭り騒ぎなのは結構だが、本当にこのメンツで海を越えられるのかね)


俺の名前はガト。この船の夜回り役。そして、あの無鉄砲な船長の「お守り」みたいなもんだ。

俺の心配をよそに、船の重要閣僚たちが次々と現れる。



「ガハハハ! 船長、船の調子は最高だぞ! どこへだって連れてってやるわい!」


まず現れたのは船大工のラモン。日に焼けた岩のような体躯に、太い腕。灰色の混じった口ひげを揺らしながら、木槌を腰に提げている。この男が笑うと、船自体が震えるような気がする。


「あらあら、うふふ。出発前からそんなに張り切って、お腹が空いちゃいませんか?」


食材の山から顔を出したのは、料理人のロサだ。二十八歳。黒髪をゆったりとまとめ、茶色いエプロンの下にはこれまた見事な曲線美を隠し持っている。微笑んでいるが、目は笑っていない。この女の「食」に対する呆れるほどのストイックさを俺は知っている。


「船長! 風の向きも潮の流れもバッチリでやんす! おいらに任せれば、アレハンドロ様のもとへ一直線でやんすよ!」


ひょこひょこと猿のように身軽に現れたのは、航海士のディエゴだ。くしゃくしゃの茶髪にバンダナ。いつもヘラヘラしているが、羅針盤を持たせれば天下一品。まあ、今はそのヘラヘラが鼻につくが。


(どいつもこいつも……。まるで遠足に行く子供だな)


俺が溜息をついたその時だ。

喧騒の端っこ、荷物の影で所在なさげにキョロキョロしている「異物」を見つけた。



他の屈強な船員たちとは、明らかに空気が違う。

小柄で華奢。栗色の柔らかな髪の下で、大きな茶色の瞳が不安げに揺れている。黒い長衣に質素な外套。胸元には木製の十字架が下がっている。


(おや……? あんなガキ、乗せる予定だったか?)


マールがその少年に気づき、弾んだ足取りで近づいていった。


「ミゲルくん! おはよう。よく眠れた?」


「えっ……あ、はい! お、おはようございます、船長!」


少年の名前はミゲルというようだ。

服装からして宣教師の見習いか何かだろうが、どう見ても戦力外だ。剣の代わりに聖書を持って、荒波を乗り越えるつもりか?


「どうしたの? そんなにキョロキョロして。忘れ物?」


マールが顔を覗き込む。

彼女の顔が近い。というより、その自慢の胸部が少年の目の前に迫っている。


「い、いえ! 大丈夫です……。ただ、こんなに大きな船に乗るのは初めてで、少し圧倒されてしまって……」


答える声が震えている。小刻みに震えるその声を聞いて、俺はさらに溜息をついた。


(おいおい、潮風で吹き飛ばされそうな弱腰じゃないか。この航海、相当前途多難だぞ)


「もう、ミゲルくんたら! そんなに怖がらなくても、あたしたちがついてるわ!」


言うが早いか、マールがガバッとミゲルに抱きついた。

応援のつもりだろうが、彼女の力加減は「船乗りのそれ」だ。ミゲルの小さな体が、マールの柔体に埋もれる。


「ふぎゅっ……!?」


ミゲルの顔が一瞬で真っ赤になった。茹で上がったタコみたいだ。


「船長! 船長、近いです! 離れてください!」


「あら? 元気をあげようと思ったのに。遠慮しなくていいのよ?」


「そういう問題じゃありませんっっ!!」


ミゲルがじたばたと手足を動かして、マールの抱擁から逃れようとする。

その慌てぶりを見て、俺は確信した。


(なるほど……。女性が極端に苦手なタイプか。この船には天敵がいるな。それも、二人も同時にだ。ミゲル)


「ガハハハ! 坊主、景気のいい挨拶だな!」

ラモンがドスドスと近づいてきて、ミゲルの背中をパシーン!と叩いた。


「ぐふっ!」

ミゲルが前のめりに倒れそうになる。


「いいか、海の上じゃ神様も大事だが、一番頼れるのは己の腕と、このばあさん(船)だ! 覚えとけよ!」


「あうう……は、はい……」


ようやく解放されたミゲルは、乱れた服を直し、真っ赤な顔のまま、周りの船員たちに向き直った。


「え、ええと……はじめまして! 今回の航海に同行させていただくことになりました、見習い宣教師のミゲルです! ……あ、あの、皆さんの平安を祈りつつ、知識でもわずかでもお役に立ちたいと思っていまふっ……あいたっ!」


緊張のしすぎで、最後に見事に舌を噛んだ。

周囲の船員たちから、ドッと爆笑が巻き起こる。


「『いまふ』だってよ! 可愛いなあ、おい!」

「おいおい、噛んじまったか! 海じゃ滑舌より足元に気をつけろよ!」


(……まったく。見ているこっちが恥ずかしくなる)


俺はわざとらしく鼻を鳴らした。

だが、そんな俺の視線などどこ吹く風。港の活気は最高潮に達し、ついに出航の合図が鳴り響く。


「さあ! 乗った乗った! 準備ができたら碇を上げなさい!」


マールが号令をかける。

船員たちが次々とラ・ルナ・エランテへと殺到していく。

マールが最初に乗り込もうとして、タラップの手前でぴたりと止まった。


「あ、そうだ。忘れるところだったわ」


彼女がくるりと振り返る。その緑色の瞳が、少し離れた建物の陰にいた俺を捉えた。


「ガト! あんたも早く来なさい!」


(……やれやれ。指図されなくても行くよ)


俺は大儀そうに腰を上げると、彼女のすぐ後ろを歩き始めた。

船長直属の用心棒として。あるいは、このお調子者たちの支えとして。



全員が乗り込むと、太いロープが外された。

「いってらっしゃーい!」

「無事でなー!」


岸壁には大勢の人々が集まり、手を振っている。

白いハンカチが振られ、誰かが威勢よく喇叭(ラッパ)を吹く。

〈ラ・ルナ・エランテ〉の帆が風を孕んで、大きく膨らみ始めた。


ザザザッ、と波を切る音が伝わってくる。

港の景色がゆっくりと遠ざかり、代わりに果てしない水平線が目の前に広がっていく。


(未知の海、行方不明の父親、そして使い物にならなそうな宣教師のガキ……)


俺は甲板のへりに寄りかかり、遠ざかる陸地を眺めた。

足の裏から伝わってくる、この船特有の微かな振動。


「いくわよ! 冒険の始まりね!」


マールの高らかな声が、潮風に乗って空へと突き抜けていった。


(……ま、雨風をしのげる寝床がある限り、この船に不満はないがな)


俺は眩しそうに目を細めると、これからの騒々しい日々を想像して、小さく溜息をついた。

〈ラ・ルナ・エランテ〉は、朝日の中を滑るように進み出した。朝の光が波頭に反射して、まるで見送る宝石のようにキラキラと輝いていた。


第7章 海賊船

(やれやれ……)


 この一週間、俺はこればかりだ。


 アレハンドロ様……マールの父親を無事に「回収」してから、船の中はお祭り

最後更新: 2026-10-15
第6章 再会

最後更新: 2026-10-15

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