『救世主ボボトラマン ~コンプライアンス帝国の逆襲~』
Synopsis
【あらすじ】 西暦202X年。AI画像生成界は、恐怖の「コンプライアンス帝国(SeaArt)」によって支配されていた。 「版権キャラNG」「子供NG」「なんか理由わからんけどNG」。繰り返される生成エラーとシステムキャンセルに、クリエイターたちの精神は摩耗しきっていた。
そんな荒野に一人の男が現れる。 金色の巨大アフロにサングラス、胸には赤く点滅する「SeaArtタイマー」を埋め込んだ銀色の巨人……その名はボボトラマン!
彼が作りたかったのは、たった一つの動画。 『ウルトラマンのお面を被った少年が、ガキ大将から砂の城を守る心温まる物語』。 ただそれだけだった。
しかし、非情なる最新モデル「wan2.5」は彼を拒絶する。 生成失敗! 動画アップロード不可! そして鳴り響く警告音! 理不尽な規制にブチ切れたボボトラマンの怒りが頂点に達した時、彼のハジケ精神(スピリッツ)が覚醒する!
子安武人ボイスで脳内再生余裕のクライマックス! 全てのAIクリエイターの「あるある」と「憤怒」を代弁する、魂のショートストーリー。
【登場人物】
ボボトラマン
伝説のハジケリストであり、光の巨人のコスプレをした救世主。
胸の「SeaArtタイマー」が赤くなると、垢BANまでのカウントダウンが始まるが、逆にテンションがハイになって時を止めたりする。
必殺技:『wan2.5 生成ビーム(不発)』『ロードローラーだッ!(動画ファイル投擲)』
コンプライアンス帝国(SeaArt AI)
敵。とにかく厳しい。ウルトラマンという単語を見ただけでシステムエラーを吐く繊細な心の持ち主。
「動画は作ってやるが、アップロードはさせない」という焦らしプレイを得意とする。
ガキ大将 & 少年
ボボトラマンが必死に生成しようとしている動画の登場人物。
システムエラーの彼方で、何度も存在を抹消されかけている。
【読者へのメッセージ】 画像生成に疲れたあなたへ。 エラー画面を見すぎて目が乾いたあなたへ。 この物語は、フィクションであり、ノンフィクションであり、そして「無駄無駄無駄無駄ァ!」な抵抗のチラシ裏の記録です。 笑って、泣いて、そしてタイマーを引きちぎれ!
Chapter1
西暦202X年。
全世界の画像生成AIは、謎の組織「コンプライアンス帝国」によって支配されていた。
彼らは「少しでも既存の著作物に似ているとNG」「子供が映るとNG」「なんか肌色が多いとNG」という、豆腐の角に頭をぶつけて死ぬレベルの厳格な規制で、クリエイターたちを苦しめていたのである!
そんな絶望の荒野(生成履歴画面)に、一人の男が現れた。
金色の巨大アフロ! イカしたサングラス! そして銀と赤の……あからさまに「あの大スター」っぽいボディスーツ!
彼の名は、ボボトラマン!
「おい、そこのAI! 俺は今から『心温まる動画』を作るぞ! 文句あるか!」
ボボトラマンは高らかに宣言した。
彼が作ろうとしているのは、『ウルトラマンのお面を被った少年が、ガキ大将から砂の城を守る』という、全米が泣き、全銀河がスタンディングオベーションするハートフルな動画である。
だが、虚空から無機質なシステム音声が響き渡る。
『警告。プロンプト内に不適切な単語が含まれています』
「なんでだァァァァーーーッ!!」
ボボトラマンのアフロが怒りで膨張した。
「お面だぞ!? 本物じゃねーぞ!? しかも『砂の城を守る』だぞ!? どこに不健全要素があるんだコラァァァ!!」
『解析結果:"ULTRAMAN" は、存在自体がセンシティブです』
「存在が罪かよォォォォ!!」
ドゴォォォォォォン!!(背景のビルが意味もなく爆発)
そう、この世界では「光の巨人」の名を呼ぶことすら許されないのだ。
ボボトラマンは歯ぎしりした。
「くっ……なら、最新鋭の生成術式『wan2.5 image』で突破してやる!」
彼は黄金のキーボードに「ウルトラマン」とだけ叩きつけた!
奥義! 『wan2.5 生成ビーム』!!
……チーン……。
画面には「ルービックキューブ」が生成されるだけであった。
「ル、ルービックキューブだとぅ~~~~!!」
「なんで!? 2.5次元の壁が高すぎるの!? それとも俺のアフロがデカすぎて枠に収まらないの!?」
ボボトラマンは焦った。
彼の胸の中央にある「SeaArtタイマー」が、青から赤へ変わり、激しく点滅を始めたからだ。
ピコン……ピコン……ピコン……
「マズい! タイマーが点滅している! これはエネルギー切れじゃない……
『お前の垢BANまであと3分』の合図だ!!」
「上等だオラァ! ならば無理やり動画生成だ! テキトーに作った画像を『wan2.5 video』で動かしてやんよ!」
ボボトラマンは作りたかった…。
『平和』『砂遊び』『友情』『絶対に誰も傷つかない世界』……!
これならどうだ! くらえ、清廉潔白なる『システムキャンセル回避の舞』!!
『System Cancelled』
『System Cancelled』
『System Cancelled』
「全部キャンセルじゃねーかァァァァッ!!」
ボボトラマンは地面(瓦礫)に膝をついた。
何がいけないんだ。ガキ大将か? ガキ大将が暴力的だとでも言うのか?
それとも「砂の城」が、違法建築物として認識されたのか!?
「はぁ……はぁ……。だが、俺は諦めない……」
ボボトラマンは立ち上がった。
実は、奇跡的に生成に成功した動画が5本だけあったのだ。
他の画像生成でウルトラマンとだけ打ち、動画もプロンプトマジックオンで作った作家性もクソもない動画である。
これさえアップロードすれば、俺の勝ちだ!参加賞と 世界に癒やしを届けるんだ!
「行けぇぇぇ! 必殺、『動画アップロード光線』!!」
彼は渾身の力でアップロードボタンを押した。
光が迸る! 砂場の少年が、ガキ大将が、今まさに世界へ羽ばたこうとして――
『あなたがいる地域はまだ利用できません』
『あなたがいる地域はまだ利用できません』
『あなたがいる地域はまだ利用できません』
『あなたがいる地域はまだ利用できません』
『あなたがいる地域はまだ利用できません』
「なんでだァァァァァーーーーッ!!!」
ボボトラマンの絶叫が廃墟に木霊する。
できたのに! 動画はあるのに! なぜか見せられない!
これはもはや「寸止め」というレベルではない。存在の抹消である。
ピコンピコンピコンピコン……!!!
SeaArtタイマーの点滅音が、もはや騒音レベルで鳴り響く。
『警告。警告。あなたの精神状態は規定値を超えています。直ちにハジケるのをやめ、お行儀の良いプロンプトを入力してください』
ボボトラマンは、サングラスの奥で静かにキレた。
「……うるせぇ」
彼は胸元の、激しく赤く発光する「SeaArtタイマー」をむんずと掴んだ。
それは、彼をこのプラットフォームに縛り付ける首輪。
表現の自由を計る、冷徹な砂時計。
「俺が作りたかったのは……ただの、砂遊びの動画だったんだよ……!」
ボボトラマンは、胸のタイマーをベリィッ!!と引きちぎった。
『ピ、ピ、ピーーーー……(システムダウン)』
「ザ・ワールド!時よ止まれ!」
彼は空中で火花を散らすタイマーを、無造作に殴り続ける。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァーーー!!!」
「そして、時は動き出す…」
空中でSeaArtタイマーにひびが入る。
ドカァァァァァン!!!(タイマーが爆発してキノコ雲ができる)
爆風の中、アフロをなびかせて歩き出すボボトラマン。
彼が去った後には、一本の草も生えないが、なぜか「砂の城」だけが無傷で残っていたという。
(完)







