令和版三枚のお札(おふだ)-“お題チャレンジ #25:「人外の伴侶」”応募作品
简介
令和版三枚のお札(おふだ)-“お題チャレンジ #25:「人外の伴侶」”応募作品
皆さまご存じ日本の有名な昔話・怪談である『三枚のお札(おふだ)』。 今回のお話はその令和版と来たもんだ!! 果てさて、この怪談はどうなってしまうのか? 怖いのか怖くないのかよくわからない『令和版三枚のお札(おふだ)』! 乞うご期待!!
“お題チャレンジ #25:「人外の伴侶」”応募作品です。
今日のテーマ: 「お題チャレンジ」 お題チャレンジ #25:あなたの伴侶は、人ならざる者 「お題チャレンジ」^人外の伴侶 お題チャレンジ:怪物の花嫁 今回のテーマ:夫は人ならざる者
この作品は、プロットを私自身が考え、小説家で本文を執筆しました。 表紙絵はChatGPTで生成しました。
小説家 【Gemini 3.0 Flash】読みやすく、扱いやすいモデルです。文章力と完成度のバランスが良く、高コスパ。連載作品に最適で、手間がかからず万能です。短い指示(プロンプト)からでも、完成度の高いストーリーを生成できます。
文章力4/5 応答速度4/5 リソース消費1/5 注意事項: 手がかりが非常に多い場合や、伏線が長期にわたる場合は、時折ユーザー自身で「ストーリーのすり合わせ」を行う必要があります。設定の矛盾を防ぐため、資料追加機能を積極的にご活用ください。
章節1
第一章
春先。湿り気を帯びた風が、由美の頬を撫でていく。
その風には、どこか甘い、嗅いだこともないような花の香りが混じっていた。
小清水由美は、自分の心臓の音が、厚い胸の肉を突き破らんばかりに高鳴っているのを感じる。
視界の端で、長い茶髪が揺れた。
眼鏡の奥の瞳は、潤んでいる。
一週間前、街角で肩が触れ合っただけのその「彼」からプロポーズをされた時、由美の思考は真っ白な霧に包み込まれた。
名前すらよく知らない。
年齢も、職業も。
ただ、その男の細い指先と、影のある微笑みを見た瞬間、由美の奥底で何かが弾けた。
それは恋という名の、抗いようのない暴風。
「由美、正気なの?」
親友の里子が、縋るように由美の手を握ったのは、つい昨日のことだ。
里子の赤い守護石、ローズクォーツが、夕陽を浴びて不吉なほど赤く光っていた。
里子の声は、震えていた。
由美には分かっていた。
いつも自分を支えてくれる、明るい太陽のような親友が、どれほど真剣に自分を案じているか。
けれど、由美の脳内では、彼が囁いた甘美な言葉だけが、壊れたレコードのように繰り返されている。
『君を、僕の特別な花嫁に迎えたい』
その言葉を思い出すだけで、膝の力が抜け、下腹部が熱くなる。
由美は、里子の忠告を、まるでお節介なノイズのように聞き流してしまった。
「ごめんね、里子。でも、私……あの人と一緒にいたいの」
由美の言葉に、里子は深く、絶望に似た溜息をついた。
そして、由美の手に、古びた三枚の和紙を押し付けた。
墨の香りが、由美の鼻を突く。
それは、どこか冷たく、刺すような感覚を伴っていた。
「……これを、持っていきなさい」
里子の瞳が、真剣な光を宿している。
「もしも、何かに迷ったら。命の危険を感じたら。それを一枚、化け物……いえ、あなたの信じられないものに向かって投げつけるのよ。分かった?」
由美は、里子のその時の表情が、なぜか脳裏に焼き付いて離れなかった。
真心。
そう、里子はいつだって、由美を、自分のこと以上に大切に思ってくれている。
由美は、里子への感謝を胸に、首から下げたラピスラズリの守護石に触れ、三枚の護符を鞄の奥に仕舞い込んだ。
そして今。
由美は、山奥にひっそりと佇む、彼の屋敷の前に立っていた。
黒い瓦屋根が、月明かりを浴びて、濡れた蛇の鱗のように光っている。
空気は冷え切り、木々のざわめきが、まるで遠くで誰かが啜り泣いているようにも聞こえる。
由美は、自分の重たい胸を抱えるようにして、一歩、足を踏み出した。
彼が待っている。
愛しい人が、待っているはずだ。
「……おかえりなさい、由美さん」
屋敷の中から現れた彼は、相変わらず美しかった。
けれど、その影は異常に長く、足元で蠢いているように見える。
招き入れられた部屋は、薄暗い。
畳は擦り切れ、どことなく、古い血と埃が混ざったような匂いが漂っていた。
「少し、席を外しますね。準備がありますから」
彼はそう言って、襖の向こうへと消えた。
由美は、緊張のあまり、喉がカラカラに乾いていた。
ふと、膀胱のあたりに、重い圧迫感を感じる。
緊張が、体の機能を過敏にさせている。
由美は、静かに立ち上がり、廊下へと出た。
トイレを探して、長い廊下を歩く。
床板が、ギィ、ギィと、嫌な音を立てた。
廊下の奥。
半分開いた襖の隙間から、話し声が聞こえてきた。
それは、彼の声だった。
けれど、先ほどまでの優雅さは微塵もない。
粘りつくような、卑猥で、禍々しい響き。
「……ようやく、連れてきたぞ。あの豊かな乳、あの溢れんばかりの肉……」
グチャリ、と、何かが潰れるような音がした。
「あれを、まずはじっくりと嬲り倒してやる。おねしょをするまで恐怖を刻み込み、恥辱に塗れたその姿を、我らの主の祭壇へ捧げるのだ。あのアピールばかりがうるさい女の顔が、絶望に歪む瞬間が待ち遠しい……」
もう一人の、嗄れた声が応える。
「クケケ、あの眼鏡もいい。あれを割って、盲目になったところで、我らの種を孕ませてやろう。妖怪の子供を産む苗床には、あのような強情な処女が一番だ」
由美の全身から、血の気が引いた。
眼鏡のレンズが、恐怖で白く曇る。
恋の霧が、一瞬にして凍りつき、砕け散った。
いつの間にか化け物にかけられていた「まじない」が解けたのだ。
由美は、自分の愚かさに震えた。
里子の言葉が、雷鳴のように脳内に響く。
あれは、人じゃない。
あれは、私を愛しているのではない。
私を食らい、汚そうとしている、化け物だ。
由美は、音を立てないように、けれど必死の思いで玄関へと向かった。
サンダルを履く暇もない。
裸足のまま、板間を駆け、土間を蹴って、外へと飛び出した。
「……逃がさんぞ、花嫁!」
背後で、屋敷の壁が内側から弾け飛ぶような音がした。
振り返る余裕はない。
けれど、気配で分かった。
巨大な、黒い塊が、凄まじい速さで迫ってきている。
それは、先ほどまでの「彼」の姿を、無残に引き裂いた化け物の本体。
幾百もの足が地面を叩き、腐った肉のような臭気が追い風となって由美を襲う。
「助けて、助けて……、里子……っ!」
由美は、走りながら鞄を探った。
指先が、和紙の感触を捉える。
一枚、引き抜いた。
里子の護符だ。
由美は、後方の闇に向かって、全力でそれを投げつけた。
「お願い……止まって!!」
護符が、夜の闇を裂いて飛ぶ。
青白い火花が散った。
変化が起きた。
けれど、それは古今東西の伝承にあるような「大河」でも「火の海」でもなかった。
ドサッ、という重量感のある音。
化け物の足元に、黒い、プラスチックの筐体が現れた。
それは、月光の下で、異様な存在感を放っていた。
幅の広いボディ。
左右に配置されたボタンと十字キー。
そして、中央で怪しく輝くバックライト付き液晶画面。
「……な、なんだ、これは……?」
化け物の足が止まった。
その三対の目は、地面に転がる「それ」に釘付けになっている。
電源が入る。
画面に、青いハリネズミが駆け抜ける映像が映し出された。
「セーガーー♪」という、あの独特のサウンドロゴが、静まり返った山道を震わせる。
「う、うおお……!! なんだ、このフルカラーの美しさは!!」
化け物は、由美を追うことも忘れ、その筐体を両手で……いや、爪で掴み上げた。
「ゲームボーイとは違う……! バックライトがついている!! 暗い山の中でも、ソニックが、ソニックが鮮やかに見えるぞ!!」
化け物は狂ったようにボタンを連打し始めた。
「楽しい……! ああ、なんと楽しいのだ!! 花嫁などどうでもいい、俺は今、セガの技術の結晶を手のひらで転がしているのだ!!」
由美は、呆然としながらも、その隙に逃げ出した。
全速力で。
揺れる胸が、肋骨を叩く。
走るたびに、ブラジャーのストラップが肩に食い込む。
痛い、苦しい。
けれど、生きるために。
由美は、なぜか自分の口から、ゲームギアに関する知識が溢れ出すのを止められなかった。
「……すごい、本当に足止めできてる」
由美は、喘ぎながら独り言を漏らす。
「でも、ゲームギアの液晶は、当時の技術としては画期的だったけれど、その代償として消費電力が凄まじい。バックライトを点灯させ続けるには、単三電池が六本も必要なのよ。それなのに、あのお札から出た本体には、当時の標準的な電池しか入っていないはず……」
由美の予感は、的中した。
三時間が経過した頃。
背後の闇から、絶叫が響いた。
「消えた……!! 画面が、赤くなって、消えたあああ!!」
電池切れだ。
山道に、無情な沈黙が戻る。
化け物は、沈黙したゲームギアを地面に叩きつけた。
「……電池が切れただと? まだ、カジノナイトゾーンをクリアしたばかりだというのに……!!」
殺意が、先ほどの数倍に膨れ上がる。
化け物は、再び猛烈な勢いで地面を這い、由美に肉薄した。
「よくも……よくも俺の至福の時間を邪魔してくれたな、小娘!!」
由美は、心臓が口から飛び出しそうだった。
眼鏡がズレ落ち、涙が溢れる。
「なんてこと! やっぱりあのゲームギアについていたのは、当時と同じ性能の単三電池か、セガ純正のバッテリーパックだったのね!!」
由美は叫んだ。
「現代の高性能リチウムイオン電池を入れておけば、最低でも五時間は保ったのに! あるいは、液晶を現代のIPSに交換する改造を施していれば、消費電力を抑えて十三時間は遊ばせられたのに!!」
由美は、自分の胸を両手で押さえながら、必死に坂道を駆け上がる。
「『I'm not BOY. 誰だってBOYを捨てるときがくる』……そんなキャッチコピーでゲームボーイに宣戦布告しておきながら、たった三時間しか保たないなんて、やっぱり無理があったのよ!! 技術が時代の先を行き過ぎていたのよ!!」
由美の嘆きは、夜の森に虚しく消えていった。
背後では、化け物の吐息が、もうすぐそこまで迫っている。
由美の首に揺れるラピスラズリが、絶体絶命の光を放った。
あと二枚。
里子から貰った護符が、残されている。
最新章節
第三章(完)
指先に触れる、最後の和紙。
その感触は、今までの二枚よりもどこか重厚で、滑らかな光沢を帯びているように感じられた。
第二章
背後に迫る死。
それは、湿った土と腐敗した獣の、吐き気がするような臭いとなって鼻腔を突く。
由美の自慢の豊かな胸は、走る衝
第一章
春先。湿り気を帯びた風が、由美の頬を撫でていく。
その風には、どこか甘い、嗅いだこともないような花の香りが混じっていた。







