トト吉

宮廷料理長の秘密のレシピ ――最高の一皿は、最高の食材だけでは作れない
王宮料理長アルベルトは、国王から「誰も食べたことのない料理を作れ」と命じられる。だが晩餐会直前、頼みの高級食材が届かなくなってしまう。それでもアルベルトは諦めず、見習いのルカと共に市場へ向かい、誰も見向きもしない「規格外の食材」に目をつける。試行錯誤の末、身近な食材だけで極上の一皿を完成させた二人は、隣国との晩餐会でそれを振る舞う。料理は隣国の王の心を動かし、「友好の皿」と名付けられ、冷え込んでいた両国の関係修復のきっかけとなる。「最高級の食材=最高の料理ではない」という信念のもと、工夫と経験で食材を活かす料理人の姿と、師弟の絆を描いた物語。

妹に脅されて始めた悪役令嬢ゲーム、悪辣ゲーマーの俺がヒロイン(裏ボス)を返り討ちにしてハッピーエンドに導く話
――お兄ちゃんの黒歴史、バラされたくなかったら、これクリアして。 大学生の桐生飛鳎は、高校生の妹・陽菜に脅され、女子高生に大流行中の乙女ゲーム『ロザリアの誓い』を無理やりプレイする羽目になる。担当するのは、何をしても最終的に断罪され破滅する運命の悪役令嬢・エレノア。 だが、ゲーマーとしての本性を叩き起こされた飛鳥は、王子の機嫌取りなど今すぐ切り捨てた。狙うのは、国家の権力構造そのもの――理事長、軍部総長、財務卿。おじ様たちを味方につけ、盤面ごと支配する前代未聞の攻略ルートへ。 転生者ヒロインが仕掛ける「濡れ衣」の罠も、断罪イベントの茶番も、すべて見透かした上で返り討ちに。 「男の顔色を窺ってペコペコ頭を下げるために、お前は今まで血のにじむような努力をしてきたのか?」 不器用な令嬢に手を差し伸べたのは、王子様なんかじゃない。悪辣なゲーマーの、身内贔屓と完璧主義だった。 ――王道を捨てて、自分の足で立て。史上最年少の国家宰相へ、悪役令嬢の完封ハッピーエンドが今、幕を開ける。

『蝉時雨の向こう側で』
高校二年の夏休み。 何となく毎日を過ごし、将来の夢も見つけられずにいた朝倉湊は、祖父母の暮らす田舎町を訪れることになる。 そこで出会ったのは、夏目透花という不思議な少女だった。 蝉時雨が響く古い神社。 ラムネを飲みながら語る夏の思い出。 川辺で交わす何気ない会話。 透花と過ごす時間は、退屈だったはずの夏を少しずつ特別なものへ変えていく。 しかし、楽しい日々の裏で、透花には誰にも言えない秘密があった。 彼女は、この夏が終わる頃には遠くへ行かなければならなかった。 そして湊は知る。 二人の出会いは偶然ではなく、十年前の夏に交わした小さな約束から始まっていたことを。 短い夏。 限られた時間。 それでも、胸に刻まれる大切なひととき。 これは、蝉時雨の中で出会った二人が、恋と別れを通して未来への一歩を選ぶ、ひと夏の青春恋愛物語。
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