SeaArt AI Novel
APP
Trang chủ  / ヴァルハラで魂の扱いを学んだ戦乙女は食欲でそれを使う
ヴァルハラで魂の扱いを学んだ戦乙女は食欲でそれを使う

ヴァルハラで魂の扱いを学んだ戦乙女は食欲でそれを使う

Cập nhật lần cuối: 2026-07-15 06:18:00
By: 白い月
Đã hoàn thành
Ngôn ngữ:  日本語16+
4.5
4 Xếp hạng
4
Chương
23.2k
Sự phổ biến
12k
Tổng số từ
Đọc
+ Thêm vào thư viện
Chia sẻ:
Báo cáo

Tóm tắt

食欲が動機で魂入れ替わりを企むブラックヴァルキリー・カーラ。果たしてうまくいくのか!


Chương1

ティルナノグAIテーマパークの喧騒が遠い記憶となり、ヴァーレンス公爵邸に日常という名の静寂が戻って久しい、ある日の昼下がり。事件は、ほとんど戯れのような衝動から始まった。

「(……ミハエルになれば、もっと美味いものが、もっとたくさん食べられるのではないか?)」

 ブラックヴァルキリー・カーラの思考は、いつだって単純明快だ。公爵という地位。その周りに傅く人々。

(彼が望めば、山海の珍味が際限なく運ばれてくるに違いない)

 その光景を想像しただけで、彼女の口内にじゅわりと唾液が湧き上がる。ヴァルハラで魂の扱いを学んだ戦乙女にとって、他者の肉体という器を一時的に借り受ける術は、禁忌ではあっても不可能ではなかった。

 彼女が『ブラックヴァルキリー・ハーモニー』と呼ぶ、他者に戦士や魔法使いなど、クラス特性を付与する能力も、突き詰めれば魂の構造に干渉する技術の応用だ。ならば、魂そのものを入れ替えることなど、少しばかり大胆な応用問題に過ぎない。

 まさか霊波動を扱う人間が、魂そのものの「色」や「形」を視る癖をつけているなど、彼女の頭脳は考慮に入れていなかった。緻密な計画性など、腹の足しにもならないのだから。

 漆黒の翼を持つ元戦乙女は、書斎で書類に目を通していたミハエル=シュピーゲル=フォン=フリードリヒ公爵の背後に、音もなく降り立った。悪戯を仕掛ける猫のように目を細め、その両掌から仄暗い霊気の糸を伸ばす。

「――ブラックヴァルキリー・ハーモニー……エクスチェンジ」

 囁きは呪詛のように空間に染み渡り、二人の魂を繋ぐ光の橋を架けた。通常ならば、術をかけられた側の魂が激しく抵抗し、拒絶反応を示すはずだった。ミハエルの魂は、霊波動の使い手として、並の神格すら弾き返す強靭な城壁に等しい。だが――。

その城壁は、門を開いた。

抵抗がない。それどころか、まるで待っていたかのように、彼の魂は自ら器を明け渡し、カーラの魂が流れ込んでくるのを許容した。一瞬の浮遊感。視界が白く染まり、次の瞬間、カーラは自分の体を見下ろしていた。いや、かつて自分のものだった、白銀の髪と漆黒の翼を持つ戦乙女の体を。

「――っ!?」

そして今、彼女が立っているのはミハエルの視点。彼の身長、彼の体重、彼の服がもたらす感触。喉の奥で咳払いをすれば、聞こえてくるのは慣れ親しんだ自分の声ではなく、低く、それでいてよく響く男の声だ。

「……ふむ。成功、か」

ミハエルの声で、カーラが呟く。視界の高さが違う。手足の長さが違う。全身に漲る力が、質からして違う。だが、そんな些末な問題はどうでもよかった。彼女の頭は、既に次の目的で満たされている。

「よし! まずは厨房だ! 今日は晩餐会並みのフルコースを要求してやろう! 胸が軽いなー男って!」

公爵の権威を笠に着て、彼女は意気揚々と書斎の扉を開けた。その足取りは、いつものミハエルの優雅なものではなく、どこか跳ねるような、子供じみた軽やかさを帯びていた。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「誰か! 誰かいないのか!」

公爵邸の長い廊下に、ミハエルの、しかしどこか性急で威圧的な声が響き渡る。近くを通りかかったメイドが、驚いて駆け寄ってきた。

「ミハエル様、いかがなさいましたか?」
「ああ、君か。ちょうどいい。料理長を呼べ。今すぐだ。今日は特別に、わたしが食べたいものを全て作らせる。前菜はフォアグラのソテー、主菜はロッシーニ風ステーキ、デザートは……そうだ、この世の全てのケーキを持ってこい!」

矢継ぎ早に、しかし食欲に忠実な命令を下す「ミハエル(カーラ)」に、メイドは目を白黒させる。

(どちらかと言えば、小食なのに……ミハエル様)

普段の思慮深い主人からは想像もつかない、我儘な子供のような要求だった。

「は、はあ……かしこまりました」

困惑しつつもメイドが去っていくのを見送ると、カーラは満足げに腕を組んだ。これで極上の食事が約束された。この肉体も、なかなか使い勝手がいいではないか。気分良く鼻歌でも歌い出しそうな、その時だった。

「もんもん、ももももーん! 息子さーん、なんだか今日は随分と桜の香りがしないわねぇ。代わりに鉄と甘い蜜の匂いがするじゃないの」

ひらり、と。まるで一枚の花弁が舞うように、桃色の十二単を纏った妖怪、桜雪さゆがどこからともなく現れた。その悪戯っぽい桃色の瞳が、じっと「ミハエル」を見つめている。

「……さゆ、か。何の用だ。わたしは今、機嫌がいい」

カーラはミハエルの口調を真似て、尊大に言い放つ。

もともとブラックヴァルキリー・カーラとミハエル=シュピーゲル=フォン=フリードリヒの口調は男の女という違いはあれど、結構似ていた。

だが、さゆはくすくすと笑うだけだった。

「あらあら、怖い顔。

 でもねぇ、息子さん。あんたの魂、いつもの深い夜の湖みたいな色じゃないわよ。

 まるで、星空を盗んで隠し持ってる、欲張りな小鳥の色よ。見てて飽きないけど、それは息子さんの色じゃないわねぇ」



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



 断言だった。霊波動の使い手が見るまでもない。この妖怪は、存在そのものの「本質」を、匂いや色として感じ取っている。カーラは内心で舌打ちしたが、表情には出さない。

(ミハエルなら、こういう時どうする?  おそらく、冗談めかしてはぐらかすだろう!)

「何を言っている。寝惚けているのか、春女。それとも、また悪戯のつもりか」
「あら、バレた? でも、半分は本当よ。今のあんた、すごく『美味しい』匂いがする。魂ごと食べちゃいたいくらい」

さゆはそう言うと、ふわりと宙に浮き、廊下の天井近くを漂いながら、楽しそうに「ミハエル(カーラ)」の周りを一周した。彼女にとって、この異常事態はただの面白いおままごとに過ぎないらしかった。カーラはこれ以上相手にしても無駄だと判断し、さゆを無視してダイニングルームへと向かう。さゆはその後ろ姿に「もんもーん!」と楽しげな声をかけ、またどこかへ消えていった。

ダイニングルームの重厚な扉を開けると、そこには既に数人の影があった。窓辺に立ち、静かに外の景色を眺めている水鏡冬華。テーブルの近くで、何やら霊符の点検をしている東雲波澄。そして、大きなソファにだらしなく寝そべり、美術雑誌を眺めているフィオラ=アマオカミ。

カーラは、わざとらしく咳払いを一つした。

「ああ、皆揃っていたか。ちょうどよかった」

その声に、三人が一斉に振り向く。そして、三者三様の反応を示した。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



最初に口を開いたのは、水鏡冬華だった。彼女はゆっくりと「ミハエル(カーラ)」のほうへ歩み寄ると、その深い茶色の瞳で、恋人の顔をじっと覗き込んだ。その視線は、何かを探るように、確かめるように鋭い。

「ミハエル……あなた、どうしたの?  少し……雰囲気が違うわ」
「そうか?  いつも通りだと思うが」
「いいえ、違う。あなたの霊波動が、妙にささくれ立っている。それに……」

冬華はそっと「ミハエル(カーラ)」の頬に手を伸ばした。その指先が触れた瞬間、彼女の眉が微かに顰められる。

「……温かい。でも、いつものあなたの温かさじゃない。これは、まるで他人の肌に触れているみたいだわ」

 長年連れ添った夫婦同然の彼女にとって、魂の繋がりは肌の温もりと同じくらい確かなものだった。今、目の前にいる男からは、その繋がりが感じられない。ただ、物理的な肉体の熱だけが伝わってくる。空っぽの器に触れているような、奇妙な違和感。

「考えすぎだ、冬華。少し疲れているだけだろう」

カーラは咄嗟にその手を払い除けた。その拒絶の仕草に、冬華の瞳に確信に近い疑念の色が浮かぶ。

その時、今まで黙って様子を窺っていた東雲波澄が、すっと立ち上がった。彼女は礼儀正しく一礼すると、しかし厳しい表情で口を開いた。

「失礼、ミハエル。先程からねぇ、邸内の霊脈に奇妙な乱れが生じてるわ。

 そして、その乱れの中心は……申し上げにくいのですが、ミハエル自身から発せられているように感じられます。魂の波長が、普段観測されるデータと著しく乖離してるわ。これは一体……?」

 式神使いであり、霊波動士でもある波澄の指摘は、冬華の感じた情緒的な違和感とは違い、どこまでも技術的で分析的だった。彼女の茶色い瞳は、まるで未知の霊的現象を解析する機械のように、冷徹な光を宿している。

「……わたしの屋敷だ。霊脈の一つや二つ、わたしの気分でどうとでもなるな」

カーラは苦し紛れに言い返すが、その答えが的外れであることは、波澄の失望したような表情が物語っていた。

そして最後に、ソファに寝そべっていたフィオラが、気だるげに上半身を起こした。彼女は美術雑誌を閉じると、赤い瞳で「ミハエル」を頭のてっぺんから爪先まで、まるで値踏みするように眺め回した。

「……ふぅん。なるほどねぇ」
「何がだ、フィオラ」
「あなたよ、ミハエル。今日のあなたは、実に興味深いわ。

 まるで、レンブラントの傑作の隣に並べられた、精巧な贋作。筆致も、絵の具の質感も、構図も完璧に模倣している。

 ぱっと見では誰もが見過ごすでしょう。

 でもね、魂の『筆致』が違うのよ。作者の息遣いが感じられない。美しいけれど、空っぽ。……ねえ、一体誰が描いたのかしら、その絵は?」

 黒竜の芸術家は、くつくつと喉を鳴らして笑った。彼女にとって、この事態は真作と贋作を見分けるゲームの一環に過ぎないのかもしれない。だが、その言葉は、この場にいる全員が感じていた違和感の正体を、的確に言い当てていた。

三方向から突きつけられた疑念の視線に、さすがのカーラも冷や汗を禁じ得ない。美味いものにありつくまでの道のりは、思ったよりも遥かに険しいらしい。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



その頃、公爵邸の二階。ミハエルがブラックヴァルキリー・カーラに与えている、彼女の私室で。

「くしゅんっ!」

「カーラ(ミハエル)」は、慣れない小柄な体で盛大なくしゃみをした。自分のものではない、どこか鈴を転がすような可愛らしい声に、彼は思わず苦笑する。部屋の中は、彼女の性格を反映してか、脱ぎ散らかした服や食べかけのスナック菓子が散乱していた。

「首んとこあついなぁーーーー! これ、髪でこう、ふさがって熱がこもるからか! じゃあスカートもロングの履いた時に空気がこもって熱くなるんだな。ああ、女がパンツ見える危険侵してでもミニスカートにしたいという気分分かったよ」

「カーラ(ミハエル)」は、今は自分のものとなった白銀の髪を指で弄び、背中に感じる霊気の翼の感触を確かめる。軽い。驚くほどに体が軽い。これが空を飛ぶ者の感覚か、と少し感心した。

窓辺に寄りかかり、階下で繰り広げられているであろう混乱に、彼はそっと意識を向ける。冬華の疑念、波澄の分析、フィオラの看破、そしてさゆの戯れ。全てが手に取るように伝わってくる。

「ミハエル(カーラ)」が彼の体を使って、大食堂で晩餐を要求している光景が目に浮かぶようだ。その単純さに、「カーラ(ミハエル)」は思わず笑みを漏らした。

(やはり、動機は食い気か。分かりやすくて、いっそ清々しいな)

 彼はこの魂の入れ替わりを、故意に受け入れた。一つは、この元戦乙女に、他者の立場というものを身をもって学ばせるため。そしてもう一つは――。

「カーラ(ミハエル)」は、カーラの姿のまま、部屋の隅に置かれた質素な果物籠からリンゴを一つ手に取った。シャリ、と一口かじる。甘酸っぱい果汁が口の中に広がり、空腹感を刺激した。なるほど、この体の燃費はあまり良くないらしい。

(さて、どこまでやれるか見ものだな。わたしの仲間たちが、あの『贋作』をどう扱うのか。そして君が、わたしの『器』で何を学び、何に絶望するのか)

彼は窓の外を見つめた。ヴァーレンスの空は、どこまでも穏やかに晴れ渡っている。階下から聞こえてくる、恋人たちの困惑した声と、偽物の主君の虚勢に満ちた声をBGMに、「カーラ(ミハエル)」は静かにリンゴを齧り続けた。まるで、最高の席で始まった喜劇を鑑賞する観客のように。

「とりあえずおっぱい揉むか。入れ替わったんだから、しかもわたしが被害者の立場だから、これくらい許されるよなぁ! こんな経験は結婚してようがそうは訪れないからな」

もみもみ。

厄介な男に魂入れ替わりの術を使ったことに、まだ、ブラックヴァルキリー・カーラは気づかない。

Chương mới nhất

第4章 お前もある意味共犯じゃ!

「おまえおっぱいやわらかいのぉ!  冬華よりも柔らかいぞ」

 突如として静寂を破ったのは、カーラの肉体から発せられたミハエルの魂の声だった。その声は、悪戯が成功した子供のように無邪

Cập nhật lần cuối: 2026-04-20
第3章 まさに新境地

「カーラ(ミハエル)」は、慣れない己の躯から発せられた、鈴を転がすかのような可愛らしい声によるくしゃみに、思わず顔をしかめてしまった。この可憐な声が、あの重厚なる私の声の代わりに響くとは、なん

Cập nhật lần cuối: 2026-04-20
第2章 借りてきた猫が虎の皮を被ってる

 三方向から突きつけられた疑念の視線に、さすがのカーラも冷や汗を禁じ得ない。冬華の指先が触れた頬の温もり、波澄が指摘する霊脈の乱れ、そしてフィオラが芸術家の鑑識眼で看破した魂の「筆致」の違い。

Cập nhật lần cuối: 2026-04-20
第1章 ヴァルハラで魂の扱いを学んだ戦乙女

ティルナノグAIテーマパークの喧騒が遠い記憶となり、ヴァーレンス公爵邸に日常という名の静寂が戻って久しい、ある日の昼下がり。事件は、ほとんど戯れのような衝動から始まった。

「(……

Cập nhật lần cuối: 2026-04-20

Nhân vật liên quan

Đánh giá và nhận xét

Được yêu thích nhất
Mới

Bạn cũng có thể thích

Không có đề xuất nào

Hiện tại chưa có đề xuất nào — hãy quay lại sau!