鬼畜グラス
Sinopse
乙女ゲーム「鬼畜グラス」
限られた範囲の女子の中の更に非常に限られた女子に絶大の人気を誇る乙女ゲーム 主人公は24歳の女性でくたびれたオッサン達を攻略していく希少なゲーム イケメンは1人も登場せず、攻略対象は全員どこにでもいるリアルなおっさん(加齢臭、薄毛、腹出、頑固)。 高難易度で知られ、選択肢を間違うとオジサンはギャンブルで破滅したり酒に溺れたり、工場が倒産したり胃潰瘍になったりとバッドエンドに一直線 ハーレムエンドもあるらしい
Capítulo1
「う……ん……」
目を覚ますと、そこはどこにでもあるような無機質なオフィスだった。
(寝オチしてたか……?)
キーボードを枕にしていたせいで、額に妙な跡がついている気がする。俺、佐藤達也(42歳・独身・平社員)は、昨日も深夜まで残業していたはずだ。
ふと顔を上げると、空中に「何か」が浮いていた。
半透明の、ピンク色の光を放つ四角いウィンドウ。そこには、ポップで可愛らしい丸ゴシック体でこう書かれていた。
《乙女ゲーム『鬼畜グラス』へようこそ!》
《チュートリアル:誰か1人を攻略して【恋愛END】を迎えることで、元の世界へ帰還できます♪》
「……は?」
俺は思わず、持っていた缶コーヒーを落としそうになった。
鬼畜グラス。その名には聞き覚えがある。会社のオタクの後輩が「常軌を逸した神ゲー」として熱弁していた、超一部のマニア向けハードコア乙女ゲームだ。
何が常軌を逸しているかというと、攻略対象が『イケメン』ではなく、加齢臭漂う『リアルなおっさん』しかいないという狂気の仕様だからである。
「いやいやいや、ちょっと待て。俺、42歳のおっさんやぞ!?」
誰もいないオフィスで叫ぶ。
システムウィンドウは無慈悲に次のメッセージを表示した。
《さあ、ドキドキのおっさんパラダイスがあなたを待っています! 頑張ってカレのハートを射止めましょう♡》
「誰が射止めるか! そもそも主人公は女子高生とかそういう設定じゃないのか!?」
俺は慌てて立ち上がり、オフィスの端にある給湯室の洗面台へ駆け込んだ。
鏡を覗き込む。
そこに映っていたのは、少し後退し始めた生え際、疲労が滲む肌、うっすらと生えた無精髭……間違いなく、見慣れた42歳の俺の顔だった。
だが、たった一つだけ、決定的に『異常』な部分があった。
「……目が……」
俺の目は、顔の3分の1を占めんばかりに巨大化し、その中には70年代の少女漫画のヒロインのように、キラキラとした星屑が乱反射して輝いていたのである。
くたびれた無精髭のおっさんが、きゅるんきゅるんの瞳でこちらを見つめ返している。
地獄のバグか何かか?
「ヒッ……!!」
俺は自らの姿に恐怖し、思い切り後ずさった。
《ステータス:佐藤達也(主人公)》
《魅力:10(※ヒロイン補正・瞳の輝き +500)》
《現在地:ドMが集うブラック企業・株式会社ドカン》
「嘘だろ……。俺、このキラキラお目々のおっさんの姿で、別のおっさんをオトさないと一生ここから出られないのか……!?」
窓の外には、夕焼けに染まるオフィス街が広がっている。
俺の血の涙を流すような絶望の叫びは、虚しく夕空へと吸い込まれていった。
Últimos capítulos
いつものように、俺は里奈のピンヒールの下で踏みにじられていた。
山田部長、ケンジさん、剛社長の三人が組み合わさった『おっさん人間椅子』はすっかり板につき、里奈はその上で退屈
「ひっ、ひぐっ……誰か、嘘だと言ってくれ……!」
太陽が容赦なく照りつける砂浜で、俺はむさ苦しいおっさん三人に囲まれながら絶望の底に沈んでいた。
このままでは【
「なんで俺は、休日の真っ昼間に、むさ苦しいおっさん3人と海に来ているんだ……?」
照りつける太陽、青い海、白い砂浜。
本来ならテンションが
「誰か1人を攻略して恋愛ENDを迎えること」
それが、このイカれたゲームから脱出するための絶対条件だ。
しかし、冷静になって考えてみてほしい。相手は全員、俺と同







