運命簒奪スキルで、姉の全てを奪い返す
説明
姉に裏切られ、全てを奪われ死んだ私。だが、ユニークスキル【運命簒奪】と共に、人生はやり直された!
私を陥れた姉からは、幸運、魅力、そして婚約者さえも、根こそぎ奪い返す。これは、虐げられた妹による、史上最も痛快な復讐の物語。
エピソード1
「ネネ、ゴブリンの索敵、お願いできるかしら?」
森の中、姉のエツコが、聖女のような慈愛に満ちた笑みで振り返った。その瞳の奥に、昏い光が宿っていることに気づかないフリをして、私はこくりと頷いた。
「はい、お姉様」
私、ネネと、姉のエツコ。私たちは、現代日本で事故死した後、この剣と魔法の世界に記憶を持ったまま転生した。
前世でのエツコは、才色兼備の完璧な姉。私は、何をやっても敵わない、出来の悪い妹。その関係は、この世界に転生してからも変わらなかった。
エツコは希少な【光魔法】の才能に目覚め、『聖女』として持て囃された。一方、私のスキルは【治癒魔法】。地味で、誰でも使えるヒーラーの能力。
(――でも、本当は違う)
私の【治癒魔法】は、あらゆる状態異常を回復させる、ユニークスキル級のものだ。だが、その事実は、いつもエツコの手柄にされてきた。
「危ない、ネネ!」
エツコに言われるがまま、崖の近くに寄り、索敵魔法を使おうとした、その時。背後から、強い力で突き飛ばされた。
「きゃっ……!?」
宙を舞う体。眼下には、無数のゴブリンが蠢く、薄暗い巣穴。私を見下ろすエツコの顔は、いつもの聖女の仮面を剥がし、歪んだ愉悦に満ちていた。
「ごめんなさいね、ネネ。あなたの治癒魔法、ちょっと目立ちすぎなのよ。聖女は、この私一人で十分ですもの」
これが、姉の本性。
前世の私なら、ここで絶望していただろう。だが、二度目の人生は、ただやられるだけでは終わらない。
崖から落ちながら、私は心の中で、ある言葉を叫んだ。
(――スキル、発動! 【運命簒奪】!)
ピロン♪
頭の中に、無機質なシステム音が響く。
ユニークスキル【運命簒奪 Lv.1】が発動しました。
対象:エツコ から、レアスキル【幸運加護 Lv.3】の簒奪を開始します。
……簒奪成功。対象の【幸運加護 Lv.3】は、【幸運加護 Lv.1】にランクダウンしました。
あなたは【幸運加護 Lv.2】を獲得しました。
(よし……!)
地面に叩きつけられる寸前、私はスキルで得た幸運を、最大限に利用した。柔らかい苔の上に落ち、奇跡的に無傷で済んだのだ。
「グルル……?」
ゴブリンたちが、私を取り囲む。私は、前世で培った演技力で、恐怖に怯え、腰を抜かして泣き叫ぶ、無力な少女を演じた。
「あ……あ……」
口から泡を吹き、白目を剥く。壊れたおもちゃに、ゴブリンは興味を示さない。彼らはすぐに私に飽きると、巣穴の奥へと消えていった。
一方、崖の上のエツコは、そうはいかなかった。
「きゃあああ! な、なんなのよこの罠は!」
【幸運加護】を失った彼女は、帰り道で、面白いように罠に引っかかっていた。木の枝が目に当たり、蔓に足を取られ、最後には自分で掘った落とし穴に、見事に落ちた。
「グルル!」
「いやああああ! 来ないで! この薄汚いゴブリン!」
断末魔の悲鳴を上げながら、巣穴の奥へと引きずられていく姉。
私は、ゆっくりと立ち上がると、服の汚れを払い、冷たく言い放った。
「お姉様。あなたが私に用意した運命は、あなた自身が味わうといいわ」
これが、私の復讐の第一歩だった。
最新エピソード
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