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グーリとシーノ Goori & Sheeno

グーリとシーノ Goori & Sheeno

Last Updated: 2026-03-09 01:32:42
Language:  日本語4+
4.8
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Synopsis

リスのグーリとシーノはライバル同士。森の中で楽しい競争ばかりしています。


Chapter1


秋の森は、豊かな恵みに満ちています。

けれど、今年の森はどこかおかしな感じです。

地面には、帽子だけになったドングリが寂しそうに転がっていました。

冬眠に必要な木の実が、ほとんど見つかりません。


それは、よそから食いしん坊のイノシシ親子がやって来たからです。


「ちょっと、あんたたちのせいで、全然ドングリが集められないじゃない!これじゃあ冬を越せないわ。どうしてくれるのよ!」


リスの女の子、シーノはイノシシの一家に向かって、文句を言いました。

彼女は気が強く、思ったことをすぐ口に出します。

ツンと尖った鼻先が、怒りでぴくぴくと動いていました。


「ごめんなさいねえ。でも、お腹が空いちゃって」


イノシシのお母さんは、申し訳なさそうに言いました。

しかし、その口は休むことなくクルミをかじっています。

子供たちも、夢中で木の実を食べていました。

謝る気など、まるでないようです。


もうだめだ。ここにいては、冬を越せない。

シーノは、引っ越しを決意しました。


彼女は一番高い木のてっぺんまで、するすると登ります。

そこから森全体を、注意深く見渡しました。

遠くに、ごつごつした岩場が見えます。

その上には、広葉樹の森が広がっていました。


「あそこなら、イノシシたちは簡単には登って来られないわ」


シーノは住み慣れた巣穴に、静かな別れを告げました。

そして、新しい住処を目指して旅立ちます。

木から木へと軽やかに飛び移り、湿った地面を駆け抜けました。

息を切らしながら険しい岩山を登り、ついに目的の森へたどり着きます。


そこは、想像通りの場所でした。

地面には、つやつやと輝くどんぐりがたくさん落ちています。

まさに、どんぐりの楽園です。


さっそく、冬を越すための巣穴を探し始めます。

すると、大きな木の幹に、ちょうど良い大きさの「うろ」を見つけました。

日当たりも良く、雨風をしのげる、最高の場所です。


「ここにするわ」

彼女がそう決めた、その時でした。

シーノは、別のリスの姿を見つけてしまったのです。

(うそでしょ……)


リスは、とても縄張り意識が強い動物です。

自分のテリトリーに他のリスが入ってくると、容赦なく攻撃します。

追いかけ回し、時には噛み付いて、相手を追い出すのです。


「ここすごくいい場所なのに。せっかく最高の巣穴も見つけたのに」

シーノはがっかりしました。

「仕方ない、他を探すか」

彼女がそう思った、その時です。


「やあ!はじめまして、こんにちは!」

相手のリスが、こちらに声をかけてきました。


(……え?好戦的じゃないのね)

「こんにちは。わたし、あっちの森から引っ越してきたの。あなたは、ここの住人?」

シーノは少し警戒しながら、尋ねます。


「うん、そうだよ!ここはドングリがたくさんあって、いい場所だよ。僕はグーリ。よろしくね!」

男の子のリス、グーリは屈託のない笑顔で答えました。彼の尻尾が、嬉しそうに揺れています。


(ああ、よかった)

シーノはほっとして、胸をなでおろしました。

「そう。私はシーノよ。こちらこそよろしく」


すると、グーリは楽しそうな顔で言いました。

「でも、どんぐりは早い者勝ちだからね。いいのが採られても、文句は言いっこなしだよ!」


その言葉に、シーノの負けん気に火がつきます。

「はあ?望むところよ。私のどんぐり集めスキルをなめないでよね!」


こうして、二匹のライバル関係は始まったのでした。




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