白石梨莉華の彩り豊か❓な日常
Synopsis
白石梨莉華は19歳の女の子。ルックス、スタイルが彼女の日常をより彩り豊かにしてゆきます。ただ、彼女はかなり変わった趣味嗜好や思考を持った子でありました。
Chapter1
朝の光がカーテンのすきまから細く射し込んで、梨莉華の頬を優しく叩いた。
「んー……まだ五分……」
布団を頭まで引き上げてみるけれど、光は容赦なく目の裏に入ってくる。仕方なくもぞもぞと身をよじり、枕元のスマートフォンを引き寄せた。
時計は七時五分。今日も遅刻しないよう、しぶしぶ体を起こす。
「おはよう、今日も頑張るー」
誰に言うともなく小さく挨拶をして、梨莉華は立ち上がった。部屋は六畳一間、冷房も暖房もない古いアパートなのに、彼女は窓を大きく開け放つ。
外の空気がふわっと入ってきて、カーテンを淡いピンクに膨らませる。
「やっぱり朝の風って気持ちいい」
南の島で育った体は、まだ東京の冬を覚えきれていない。むしろ冷たい風が心地よくて、思わず両手を上げて伸びをした。そうすると、寝間着のキャミソールの肩紐がずるりと滑り、鎖骨の上で止まる。
「あ、危ない危ない」
でも笑顔はゆるんでいく。今日も好きな服を選ぼう。
クローゼットの扉を開けると、奥行きのない箱の中に、色とりどりのニットが詰まっている。指でぽんぽんと布先を叩きながら、一番目を引いたのは、薄いベージュのオフショルダーセーターだった。
「これにしよう。色が朝日みたいで可愛い」
肩口までくる丈は、腕を上げれば脇の下がすっと覗く設計。梨莉華はそれを頭から被り、鏡の前でくるりと回った。ふわりと裾が舞い上がり、太ももあたりまでの風を孕む。
「……ん?」
鏡の中で、セーターの裾と自分の脚の間に、空間ができていることに気づく。でも首を傾げるだけで、すぐに気にしなくなる。
「ま、いっか。寒くないし」
それから足元を見下ろした。床には脱ぎ散らかした前日のソックスと、小さなバスケットが転がっている。バスケットの中には、折りたたまれたミニスカートと、紺色のミニ丈ジーンズが丸めて入っている。
「どっちにしよう……」
しばらく考えて、梨莉華はスカートを手に取った。でもすぐに「今日は電車だから動きやすい方がいいな」と呟き、ジーンズを引っ張り出す。
足を通し、チャックを上げる。腰回りはぴったり、でも丈は本当に短い。鏡に向かって「うん、可愛い」と自分で頷いた。
そのままバッグを肩にかけ、部屋を出る。廊下はコンクリートむき出しで、朝の冷え込みが足の甲にまとわりつく。階段を下りるたびに、短いジーンズの裾が太ももをくすぐった。
「おはようございます、大家さん」
一階のドアの前で、白髪の大家がゴミ出しをしていた。梨莉華はぺこりと頭を下げると、にこやかに手を振り返した。
「今朝も寒いよ、梨莉華ちゃん。それにしても薄着だね」
「はいー、でも平気です」
大家の視線が、自分の肩から腰へと滑るのを、梨莉華はまったく意識しない。
ただ「今日も一日頑張ってね」と言われて、元気に「はいっ!」と返事をした。
アパートを出て、細い路地を歩き始める。朝の空気は甘く冷たく、息を白く染める。信号待ちで立ち止まると、背後から来た自転車のおじさんが、ふとペダルを緩めた。
「……」
梨莉華は知らない。視線が肩のラインを這い、セーターとジーンズの間のわずかな隙間を探っていることに。ただ、信号が青に変わったので、小走りで歩き出す。
自転車がすーっと追い抜いていく音とともに、小さなため息が聞こえた。
駅まであと五分。商店街の手前を右に折れると、風が強くなった。セーターの裾がふわりと持ち上がり、背中の半分が露になる。
梨莉華は「うわ、冷たい」と笑いながら、両手で裾を押さえた。でも歩くたびに、また風が這い上がってくる。
「今日は風さんがおしゃべりだね」
独り言を言いながら、足取りは軽い。踏切の前でバーが下りたので、立ち止まる。
向こう側には、同じく通学・通勤らしき人々の列ができている。梨莉華はぼんやりとその列を見ていたが、ふと横の電柱に目が留まった。貼り紙が一枚、風ではためいている。
『ストーカー被害にご注意ください』
文字を追ううちに、眉がくしゃりと寄る。
「……やだな。怖い」
でも次の瞬間、バーが上がり、電車の通過音がどどんと響いた。思考はあっさりと吹き飛ばされ、梨莉華は歩き出す。
改札をくぐる頃には、ホームはすでに混雑していた。朝日が線路に沿って長く伸び、人々の影を細く伸ばす。梨莉華は一番端っこの黄色い足場に立ち、ぴょんぴょんと身を揺すった。
ホームの冷たい風が、今度はジーンズの裾から這い上がってくる。
「んー、冷たいなぁ」
でも我慢している。電車が滑り込んできた。ドアが開くと、中は満員で、座る場所はなさそうだった。
彼女は「まっ、いっか」と呟き、吊り革を掴んだ。
背の高い彼女は、手を上げるだけで、セーターの肩がぐいと下がり、白い肌がぱっと広がる。
「……」
周囲の視線が一瞬、音を立てた。でも梨莉華は、スマートフォンを片手に、着信を確認している。
肩のラインが丸見えでも、まるで気にしていない。電車が動き出すと、体はゆっくりと揺れた。吊り革に掴まった腕が伸び、セーターの裾がわずかに持ち上がる。
そのとき、目の前に座っていたサラリーマンが、ふと新聞を膝の上に置いた。視線が、ジーンズの短い裾から覗く太ももへと滑る。でも梨莉華は、窓の外を流れる風景を見ていた。雲が朝日を受けて、薄いオレンジに染まっている。
「今日も綺麗な空だなー」
独り言が、車内の雑音に紛れる。電車は少しずつ速度を上げ、街並みが遠ざかっていく。吊り革の高さがちょうどよく、彼女は体を預けた。すると、セーターの裾が少しだけ捲れ、ジーンズと布地の間に、白い肌が一筋、覗いた。
その瞬間、座っていた女子高生が、隣の友達と目を合わせ、小さく肘をつついた。でも梨莉華は、ふとスマートフォンを操作し、カメラを起動した。自撮りモードで、自分の肩越しに景色を写す。画面の中で、自分の肩のラインが、朝日に照らされて、ぼんやりと白く浮かび上がる。
「うわ、なんか綺麗」
つぶやきながら、シャッターを押した。電車は揺れ、写真はわずかにぶれた。でも梨莉華は満足そうに微笑んだ。
「今日の一枚、決まり」
その笑顔を、周囲の誰もが見ている。でも本人は、ただ朝の光が好きで、空が綺麗で、それだけで十分に幸せだった。
電車は次の駅に向かって走り続け、彼女のセーターの裾は、風を孕んで、ふわりと揺れている。
誰も口を開かない。ただ、吊り革を握る手が、ぎゅっと強くなる音だけが、車内に細く響いた。
Latest Chapters
――第五十話 夕暮れのほのかな温度差
撮影が終わり、スタッフが機材の片付けを始める中、梨莉華はほっと一息ついてエプロンのひもを緩めた。
――第四十九話 無防備な天使の夕暮れ
休憩後の『カフェ・ド・リベット』には、再びプロの緊張感が漂い始めていた。しかし梨莉華の無邪気な笑顔が、その空気を柔らかくほ
――第四十八話 無自覚な誘惑の連鎖
撮影は終盤に差し掛かり、店内には再びプロの空気が張り詰めた。
梨莉華はエプロンと長いリボン
――第四十七話 恥ずかしいアクシデントの後で
梨莉華は仰向けに倒れたまま、一瞬にして状況を理解できなかった。
スカートが腰まで







