SeaArt AI Novel
APP
Home  / 白石梨莉華の彩り豊か❓な日常
白石梨莉華の彩り豊か❓な日常

白石梨莉華の彩り豊か❓な日常

Last Updated: 2026-08-05 03:21:24
Language:  日本語4+
4.6
5 Rating
50
Chapters
90.8k
Popularity
111.3k
Total Words
Read
+ Add to Library
Share:
Report

Synopsis

白石梨莉華は19歳の女の子。ルックス、スタイルが彼女の日常をより彩り豊かにしてゆきます。ただ、彼女はかなり変わった趣味嗜好や思考を持った子でありました。


Chapter1

朝の光がカーテンのすきまから細く射し込んで、梨莉華の頬を優しく叩いた。


「んー……まだ五分……」


布団を頭まで引き上げてみるけれど、光は容赦なく目の裏に入ってくる。仕方なくもぞもぞと身をよじり、枕元のスマートフォンを引き寄せた。


時計は七時五分。今日も遅刻しないよう、しぶしぶ体を起こす。


「おはよう、今日も頑張るー」


誰に言うともなく小さく挨拶をして、梨莉華は立ち上がった。部屋は六畳一間、冷房も暖房もない古いアパートなのに、彼女は窓を大きく開け放つ。


外の空気がふわっと入ってきて、カーテンを淡いピンクに膨らませる。


「やっぱり朝の風って気持ちいい」


南の島で育った体は、まだ東京の冬を覚えきれていない。むしろ冷たい風が心地よくて、思わず両手を上げて伸びをした。そうすると、寝間着のキャミソールの肩紐がずるりと滑り、鎖骨の上で止まる。


「あ、危ない危ない」


でも笑顔はゆるんでいく。今日も好きな服を選ぼう。


クローゼットの扉を開けると、奥行きのない箱の中に、色とりどりのニットが詰まっている。指でぽんぽんと布先を叩きながら、一番目を引いたのは、薄いベージュのオフショルダーセーターだった。


「これにしよう。色が朝日みたいで可愛い」



肩口までくる丈は、腕を上げれば脇の下がすっと覗く設計。梨莉華はそれを頭から被り、鏡の前でくるりと回った。ふわりと裾が舞い上がり、太ももあたりまでの風を孕む。


「……ん?」



鏡の中で、セーターの裾と自分の脚の間に、空間ができていることに気づく。でも首を傾げるだけで、すぐに気にしなくなる。


「ま、いっか。寒くないし」



それから足元を見下ろした。床には脱ぎ散らかした前日のソックスと、小さなバスケットが転がっている。バスケットの中には、折りたたまれたミニスカートと、紺色のミニ丈ジーンズが丸めて入っている。


「どっちにしよう……」



しばらく考えて、梨莉華はスカートを手に取った。でもすぐに「今日は電車だから動きやすい方がいいな」と呟き、ジーンズを引っ張り出す。


足を通し、チャックを上げる。腰回りはぴったり、でも丈は本当に短い。鏡に向かって「うん、可愛い」と自分で頷いた。



そのままバッグを肩にかけ、部屋を出る。廊下はコンクリートむき出しで、朝の冷え込みが足の甲にまとわりつく。階段を下りるたびに、短いジーンズの裾が太ももをくすぐった。


「おはようございます、大家さん」



一階のドアの前で、白髪の大家がゴミ出しをしていた。梨莉華はぺこりと頭を下げると、にこやかに手を振り返した。


「今朝も寒いよ、梨莉華ちゃん。それにしても薄着だね」


「はいー、でも平気です」



大家の視線が、自分の肩から腰へと滑るのを、梨莉華はまったく意識しない。


ただ「今日も一日頑張ってね」と言われて、元気に「はいっ!」と返事をした。



アパートを出て、細い路地を歩き始める。朝の空気は甘く冷たく、息を白く染める。信号待ちで立ち止まると、背後から来た自転車のおじさんが、ふとペダルを緩めた。


「……」



梨莉華は知らない。視線が肩のラインを這い、セーターとジーンズの間のわずかな隙間を探っていることに。ただ、信号が青に変わったので、小走りで歩き出す。


自転車がすーっと追い抜いていく音とともに、小さなため息が聞こえた。



駅まであと五分。商店街の手前を右に折れると、風が強くなった。セーターの裾がふわりと持ち上がり、背中の半分が露になる。


梨莉華は「うわ、冷たい」と笑いながら、両手で裾を押さえた。でも歩くたびに、また風が這い上がってくる。


「今日は風さんがおしゃべりだね」



独り言を言いながら、足取りは軽い。踏切の前でバーが下りたので、立ち止まる。


向こう側には、同じく通学・通勤らしき人々の列ができている。梨莉華はぼんやりとその列を見ていたが、ふと横の電柱に目が留まった。貼り紙が一枚、風ではためいている。


『ストーカー被害にご注意ください』



文字を追ううちに、眉がくしゃりと寄る。


「……やだな。怖い」



でも次の瞬間、バーが上がり、電車の通過音がどどんと響いた。思考はあっさりと吹き飛ばされ、梨莉華は歩き出す。



改札をくぐる頃には、ホームはすでに混雑していた。朝日が線路に沿って長く伸び、人々の影を細く伸ばす。梨莉華は一番端っこの黄色い足場に立ち、ぴょんぴょんと身を揺すった。


ホームの冷たい風が、今度はジーンズの裾から這い上がってくる。


「んー、冷たいなぁ」



でも我慢している。電車が滑り込んできた。ドアが開くと、中は満員で、座る場所はなさそうだった。


彼女は「まっ、いっか」と呟き、吊り革を掴んだ。


背の高い彼女は、手を上げるだけで、セーターの肩がぐいと下がり、白い肌がぱっと広がる。


「……」



周囲の視線が一瞬、音を立てた。でも梨莉華は、スマートフォンを片手に、着信を確認している。


肩のラインが丸見えでも、まるで気にしていない。電車が動き出すと、体はゆっくりと揺れた。吊り革に掴まった腕が伸び、セーターの裾がわずかに持ち上がる。


そのとき、目の前に座っていたサラリーマンが、ふと新聞を膝の上に置いた。視線が、ジーンズの短い裾から覗く太ももへと滑る。でも梨莉華は、窓の外を流れる風景を見ていた。雲が朝日を受けて、薄いオレンジに染まっている。


「今日も綺麗な空だなー」



独り言が、車内の雑音に紛れる。電車は少しずつ速度を上げ、街並みが遠ざかっていく。吊り革の高さがちょうどよく、彼女は体を預けた。すると、セーターの裾が少しだけ捲れ、ジーンズと布地の間に、白い肌が一筋、覗いた。



その瞬間、座っていた女子高生が、隣の友達と目を合わせ、小さく肘をつついた。でも梨莉華は、ふとスマートフォンを操作し、カメラを起動した。自撮りモードで、自分の肩越しに景色を写す。画面の中で、自分の肩のラインが、朝日に照らされて、ぼんやりと白く浮かび上がる。


「うわ、なんか綺麗」



つぶやきながら、シャッターを押した。電車は揺れ、写真はわずかにぶれた。でも梨莉華は満足そうに微笑んだ。


「今日の一枚、決まり」



その笑顔を、周囲の誰もが見ている。でも本人は、ただ朝の光が好きで、空が綺麗で、それだけで十分に幸せだった。


電車は次の駅に向かって走り続け、彼女のセーターの裾は、風を孕んで、ふわりと揺れている。



誰も口を開かない。ただ、吊り革を握る手が、ぎゅっと強くなる音だけが、車内に細く響いた。

Ratings and Reviews

Most Liked
New

You Might Also Like