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世界創生ドミノ倒し

世界創生ドミノ倒し

آخر تحديث: 2026-04-06 03:21:38
By: sayonara
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ドミノで世界を作り、それを神が一瞬で倒し世界を終わらせるショートショートです。


الفصل1

神様に「世界を創れ」と言われたとき、私はただのドミノ箱を抱えていた。


机の上に緑色のフェルトを敷く。これが宇宙の暗黒だ。指先で撫でると、柔らかい毛並みのような感触がする。箱から取り出した最初のドミノは、少し重かった。木製で、表面に細かい木目が走っている。


「地球だな」


私は呟きながら、机の中央に置いた。ドミノはまっすぐ立った。でも、これだけでは不安定だ。指で左右に揺らしてみる。がたがたと小さな音がする。神様は黙って見ている。窓から差し込む夕日が、ドミノに長い影を落とした。


次に月を作るため、少し小さめのドミノを選んだ。地球のすぐ横に、ちょうど親指一本分離れて立てる。これで引っ張り合う力が生まれるはずだ。実際に指で両方をつついてみる。地球の方が大きいから、月は少し傾きかけたが、なんとか保った。


太陽は一番大きなドミノだった。机の端から、地球までの距離を見計らう。親指で距離を測りながら、ゆっくりと置いた。これで三つ巴のバランスができた。だけど、まだ足りない。火星は?木星は?私は額の汗を手の甲で拭った。


「ちょっと待ってください」


神様は頷いた。でも、時計の針は動いている。私は急いで追加のドミノを並べ始めた。金星は地球より少し小さめのやつ。水星は一番小さいやつを太陽の近くに。土星は環が欲しいから、二枚重ねにした。天王星と海王星は、机の端っこにぎりぎりまで置いた。


でも、やっぱり足りない。彗星は?小惑星帯は?私の手は震え始めた。ドミノはまだ半分残っているのに、机の上はもういっぱいだ。そこで、私は空白を作ることにした。ドミノを置かない場所。これで距離や時間を表現できる。空白も立派な配置の一部だ。


すべて配置し終えてから、私は深呼吸した。窓の外はもう夜になっていた。部屋の蛍光灯が、ドミノに白い光を当てる。でも、まだ終わらない。次はストッパーだ。これがないと、ドミノはすぐに倒れてしまう。


ストッパーは、細い竹串だった。百本近くある。一つ一つを、ドミノの倒れる方向に斜めに立てていく。最初は簡単だった。地球の横に一本。月の後ろにもう一本。でも、木星は大きいから、三本必要だった。土星の環は特に難しかった。二本立てて、上に横のドミノを載せる。指先が痛くなってきた。


三日目になった。ストッパーはまだ半分残っている。私は椅子に座りながら、一つ一つ慎重に立てていく。時々、手が滑って、ドミノが倒れかける。そうなると、心臓が止まるかと思う。でも、神様は待ってくれる。私はカップラーメンを食べながら、作業を続けた。


五日目の朝、最後のストッパーを立て終えた。でも、これで安心はできない。外さなければならないのだ。これが一番怖い作業だった。救ってくれたものが、今度は災いをもたらすかもしれない。


私は指を鳴らした。関節がぽきぽき音を立てる。最初は地球のストッパーからだ。竹串の先をつまんで、ゆっくりと引く。最初の一センチは簡単だった。でも、二センチ目で少し引っかかる。三センチ目で、ドミノががたっと動いた。私は息を止めた。でも、倒れなかった。


次は月のストッパー。これは簡単だった。でも、土星の環は難航した。三本の竹串を、同時に外さなければならない。私は三本の指を使って、同時に引いた。一本だけが遅れた。環の一部が傾いた。でも、なんとか保った。


七日目の夜、すべてのストッパーが外された。私は立ち上がって、眺めた。机の上に、宇宙が完成していた。小さなドミノたちが、巨大な構造を作っている。空白も含めて、完璧なバランスだ。


「よし」


私は最初のドミノの前に立った。これは、一番端にある小さなドミノだった。多分、冥王星か何かだろう。指を伸ばす。触れる。冷たい。震えているのは、ドミノではなく、私の指だ。


倒す瞬間が来た。私は指を離した。


最初のドミノが倒れた。音は小さかった。かすかな「こつ」という音。でも、次のドミノに当たると、音が大きくなった。「こつ、こつ、こつ」。三つ目では「がらん」と音が変わった。四つ目で「どん」と重低音になった。


私は見守った。ドミノは確実に倒れていく。地球は無事だった。月も回転している。太陽が光を放った。でも、空白の部分では、何も起きていない。そこに何かを追加しなければ。


私は慌てて、空白の部分に走った。でも、ドミノは止まらない。私は新しいドミノを持ちながら、先回りしようとした。足がもつれた。膝を打った。痛みが走った。でも、ドミノは止まらない。


「待って!」


私は叫んだ。でも、声は届かない。ドミノは確実に進んでいく。最初の世界大戦のドミノが倒れた。音が急に大きくなった。「ドカン、ドカン」。次のドミノは経済危機を表していた。「バキバキ」と割れる音。コロナのドミノは、特に音が小さかった。でも、倒れる速度が速かった。


私は這いながら、空白を埋めようとした。でも、手に持ったドミノは、既に倒れたドミノにぶつかって、砕けた。木の破片が飛び散った。一つが頬を切った。温かい血が流れた。


ドミノは二手に分かれた。一方は東へ、一方は西へ。私はどちらを追えばいいのか分からなかった。両方同時に崩れていく。平行世界ができた。でも、その両方とも、最後は同じ場所に収束した。


最後のドミノは、巨大だった。人類の最終兵器を表していた。赤い色をしていた。私は立ち上がった。でも、もう遅かった。最後のドミノは、ゆっくりと、しかし確実に倒れ始めた。


音はなかった。ただ、静寂だけが広がった。すべてのドミノが倒れ終わった。机の上には、木の破片と空白だけが残った。神様は、静かに私を見ていた。


私は椅子に座った。疲れ果てていた。七日間の作業は、たった数分で終わってしまった。でも、これで私の役目は終わりだ。これから先は、地球に住む者たちに任せるしかない。


窓の外で、朝日が昇り始めていた。新しい一日が始まる。誰かが、またドミノを並べ始めるかもしれない。私は、机の上の破片を一つ一つ集め始めた。これは、次の創造のための材料だ。


神様に一礼して、私は部屋を出た。廊下を歩きながら、小声で呟いた。


「上手くいきますように」


ドミノの音は、もう聞こえない。だけど、どこかで、誰かが確実に並べ始めているはずだ。今度は、もっと上手くいくことを願いながら、私は歩いていった。

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