トライアングル・ウォーズ~翼に託す恋歌
Краткое содержание
戦場で歌うバルキリー少女、二人の男に挟まれてガチ恋勢。ミサイルと音楽で宇宙がヤバい。三角関係でメンタル崩壊寸前だけど、歌で敵も味方もイチコロ。愛と戦いで strongest になる系青春ストーリー。推しが尊すぎて生きるのつらい。
Глава1
(BGM: ライオン - May'n / 中島愛)
警告音が鳴り響いている。
アルタイルは操縦桿を強く握りしめた。YF-29「デュランダル」の機体が悲鳴を上げる。目の前のモニターは赤一色だ。
「遅い!」
彼は叫んだ。スロットルを叩き込む。四枚の主翼が展開し、マイクロミサイルの雨がバジュラの群れを食い破る。
「私達の歌を……聴けぇぇぇッ!!」
通信回線越しに、シェリル・ノームの絶叫にも似た歌声が響く。ランカ・リーの澄んだ声がそれに重なる。二つの歌声は螺旋を描き、戦場を支配するはずだった。
だが。
ザザッ――キィイイイイイ!!
ノイズ。
いや、違う。これは悲鳴だ。
シェリルの歌が歪んだ。フォールド波のモニタリンググラフが、美しい正弦波からギザギザの荒波へと変貌する。
「ぐっ……あぁっ!?」
モニターの片隅。シェリルの映像が乱れる。彼女が胸を押さえ、膝をつくのが見えた。首筋の紫色の結晶が、まるで生き物のように脈打ち、肌を侵食していく。
「シェリルさん!? ランカちゃん!?」
アルタイルは舌打ちした。視線をレーダーからデータ解析画面へと走らせる。
発生源はバトル・ギャラクシー。
グレイス・オコナーだ。あいつが「反転干渉波」を撃ってきた。歌姫の脳皮質を直接焼き切るつもりだ。
「クソッ、やらせるかよ!」
SMS本部からの撤退命令が届く。
『各機、一時後退! 歌が途切れた! これ以上は――』
「無視だ」
アルタイルは即答した。コンソールに指を走らせる。
『アルタイル!? 何をする気だ!』
「避雷針になる」
彼はリミッター解除のスイッチに指をかけた。
ISC(慣性蓄勢コンバーター)。フォールド・クォーツ。これらすべてを暴走させる。
警告表示が出る。「LIMITER FORCE OUT」。
機体がガクンと震えた。
「うおおおおッ!」
YF-29が金色の光を放つ。アルタイルは機体をシェリルたちのいるアイランド1とバトル・ギャラクシーの射線上に割り込ませた。
襲い来る干渉波。
見えない奔流が機体を叩く。
装甲が軋む音じゃない。骨がきしむ音がした。
「ぐ、がぁ……ッ!」
鼻から血が垂れる。視界が赤い。
全神経を焼かれるような激痛。だが、彼は笑った。
(効いてるじゃねえか……!)
干渉波がYF-29のフォールド・クォーツに吸い込まれていく。
歌姫たちの苦悶の声が止まった。
「今だ……歌えッ!」
アルタイルは血を吐きながら叫んだ。
「お前たちの歌は、こんなもんじゃないだろッ!」
その声が届いたのか。
シェリルが顔を上げた。瞳孔が開いている。死相がにじみ出ている。だが、彼女はマイクを強く握り直した。
ランカが目を見開く。
歌声が、戻る。
だが、代償は大きすぎた。
YF-29の許容量を超えた負のエネルギーが、機体内部で飽和する。
パリーン。
乾いた音がした。コクピットの計器が次々と爆ぜる。
ISCが限界を超えた。
機体の周囲の空間が歪む。爆発ではない。空間そのものが、黒く、深く、裂けていく。
「ゼロ・フォールト」……。
アルタイルの脳裏に、そんな単語が浮かんだ。常識外のエネルギー衝突が生んだ、次元の裂け目。
吸い込まれる。
操縦桿が効かない。スラスターも反応しない。
「アルタイル君!」
ランカの叫び声。
「あんた、まさか……!」
シェリルの絶句。
体が浮く感覚。重力が消えた。いや、逆転したのか。
金色の光が機体を包み込む。
アルタイルは最後の力を振り絞り、通信ボタンを押し込んだ。
「止めるな……続けろ、歌うんだ!」
それが最後だった。
光が彼を飲み込んだ。
レーダーから輝点(ブライト)が消失する。
「アルタイルーーッ!!」
戦場に静寂が落ちた気がした。だが、それは一瞬だ。
現実は残酷だ。
次元断層の向こう側へと飲み込まれたはずの機体。しかし、その「残骸」とも呼べる質量を持った物体が、再びレーダーに現れた。
ただし、動力反応はない。
魂の抜けた鉄の塊。
YF-29はゆっくりと、しかし確実に、バジュラ母星の重力に捕まった。
眼下には強酸の雲と、荒れ狂う嵐。
落ちていく。
「嘘……でしょ……」
シェリルは震える手で唇に触れた。
あいつが、いない。
守ってくれた。そのせいで、あいつが。
「ふざけないでよ!」
彼女は叫んだ。喉が裂けてもいい。血管が千切れてもいい。
「ノーザンクロス」。
絶望の淵で歌う鎮魂歌ではない。これは、引き留めるための歌だ。
「あぁぁぁぁぁッ!!」
リミッターを外したのは彼女も同じだ。V型感染症のウイルスが脳を侵食する速度が加速する。それでも、彼女は声を張り上げた。
届け。届け。あの馬鹿に届け。
隣で、ランカが膝をついた。
目は閉じられている。だが、彼女は歌うのを止めなかった。
(感じる……)
ランカの意識が拡散する。
「リトル・クイーン」。バジュラと心を通わせる力。
彼女はその感覚を極限まで研ぎ澄ませた。
物理的な距離じゃない。フォールド波のネットワーク、その広大な海の中に、彼女はダイブした。
アルタイルの波長を探して。
彼の「音」を、絶対に逃さないために。
二人の歌姫の絶唱が、バジュラ母星の大気圏へと落ちていく機体を追いかける。
しかし、YF-29は沈黙したまま、分厚い雲の中へと消えていった。
Последние главы
かつての戦場は、嘘のように静まり返っていた。
バジュラたちは去った。
次元の彼方、人類の手の届かない場所へ、彼らは新たな故郷を求めて旅立った。
残されたの
風の音が変わった。
甲高い悲鳴のような風切り音ではなく、葉を揺らす、柔らかいさざめき。
カチリ、と金属が冷える音がした。
有杜は重いまぶたを持ち上げた。
視界
「道連れにしてやるわ……!」
残響だけの声。
しかし、その怨念は物理的な質量を伴っていた。
巨神――バトル・ギャラクシーの残骸が、内側から膨れ上がる
「アハハハハハハハッ! 不要! 不要! こんな結末は不要よォオオオ!!」
空間が割れるような絶叫。
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