完璧委員長の肝試し(『黄昏駅』4)-“お題チャレンジ #9:「都市怪談」”応募作品
เรื่องย่อ
軽い気持ちで始めた肝試し。 四階の一番奥にある音楽室に白百合を置いて戻ってくるだけ。 そう、それだけだったはずなのに。 これは、夜の校舎に潜む恐怖、そして己の内側に潜む制御不能の存在と戦う少女の物語です。
オカルトシリーズである『黄昏駅』シリーズの4作目にあたり、設定も他作品の由美と里子とは少々異なります。
“お題チャレンジ #9:「都市怪談」”応募作品です。
今日のテーマ: 「お題チャレンジ」都市怪談 お題チャレンジ #9:「都市怪談」背筋が凍るような都市怪談、聞かせてくれませんか
บท1
第1章 夏の夜の試練
夏休みを目前に控えた夜の空気は、水分をたっぷりと含んだ重たい綿のように、肌にねっとりとまとわりついていた。
街灯の乏しい高校の正門前には、制服姿の少女たちが数人、ひそひそと声を潜めて集まっている。昼間は活気に満ちた学び舎も、一切の照明を落とした今の時間帯には、呼吸を止めて獲物を待つ巨大な獣の死骸のように見えた。コンクリートの壁からは昼間に蓄えられた熱がじわじわと放たれ、アスファルトの匂いと混ざり合って、息苦しいほどの濃密な闇を形成している。
その輪の中心から少しだけ外れた場所で、小清水由美は自身の背筋を、定規を当てたかのように真っ直ぐに伸ばしていた。
「……由美ちゃん、手、冷たいね」
隣から鼓膜をくすぐるような低い声が落ちてくる。親友の相田里子だった。里子の細く白い指が、由美の強張った手にそっと重ねられる。アースカラーのゆったりとしたカーディガンを羽織った里子からは、微かにベビーパウダーのような甘く清潔な香りがした。由美は反射的に身を固くしたが、すぐにその柔らかい体温にすがりつくように、里子の肩へとわずかに体重を預けた。
「夜風が、少し涼しいから……」
由美は、声が震えないように細心の注意を払いながら答えた。それは明白な嘘だった。風など一切吹いていない。由美の額には薄っすらと汗が滲み、縁の細い銀色の眼鏡のブリッジを滑り落ちそうになっている。ブラウスの胸元は、彼女の豊かな双眸の起伏に沿ってわずかに湿りを帯び、規則正しい校則通りの長さであるプリーツスカートの下では、両膝が誰にも気づかれないほどの微細な震えを伴って、固く、ひどく固く閉じられていた。
足が竦んでいるのは、恐怖のせいだけではなかった。
由美の下腹部には、無視できないほどの重たく熱い圧迫感が、確かな実体を持って居座っていた。集合時間より前に立ち寄ったファミリーレストランで、緊張をごまかすために冷たいアイスティーを三杯も飲み干してしまったことが、今になって致命的な過ちとして彼女の理性を攻撃し始めていた。
(どうしよう……。あとどれくらい、時間がかかるの……?)
表面上は「クラスをまとめる冷静沈着な委員長」の仮面を完璧に貼り付けながら、由美の内心はパニックの渦中にあった。膀胱の底からじわじわと込み上げてくる尿意は、暗闇への恐怖と連動して、波のように強弱を繰り返している。少しでも気を抜けば、括約筋の制御が解けてしまいそうな危うい均衡状態。もし、こんな場所で、みんなの目の前で粗相をしてしまったら。その想像だけで、由美の全身の血の気が引き、代わりに下半身へと熱が集まっていくような錯覚に陥る。
「さて、それじゃあルールを説明するね」
里子が、いつもの穏やかな微笑みを浮かべたまま、手に持っていた一輪の白い百合の花を掲げた。街灯の僅かな光を反射して、その花弁だけが暗闇の中で不気味に白く浮き上がっている。
「四階の音楽室。そこのグランドピアノの上に、この花を置いてくるだけ。とっても簡単な任務よ」
音楽室。その単語を聞いた瞬間、由美の肩がビクッと跳ねた。昼間であれば、そこは由美にとって最も心安らぐ場所だ。放課後、一人でピアノの鍵盤を叩き、クラシックの旋律に身を委ねる時間は、彼女が「完璧な小清水由美」という鎧を脱ぎ捨てることのできる数少ない避難所だった。しかし、一切の光が届かない深夜の校舎において、四階という上層階の奥底にあるその部屋は、絶対に近づいてはならない禁忌の領域に思えた。
「えー、四階まで行くの? 結構遠くない?」
「でもまあ、委員長の由美ちゃんなら余裕でしょ! いつも一人で残ってピアノ弾いてるし」
「だよねー。由美ちゃんが悲鳴上げるとこなんて、想像つかないし」
周囲の女子たちが、悪気のない無邪気な声で由美を囃し立てる。彼女たちにとって、由美は常に正しく、強く、隙のない存在なのだ。その期待の眼差しが、物理的な重さを持って由美の両肩にのしかかる。
「……ええ。もちろん、大丈夫よ。ただの学校だもの」
由美は、唇の端を引き上げて、完璧な弧を描く笑顔を作った。声のトーンは一定を保ち、優等生としての余裕を崩さない。しかし、スカートの下で交差させた太ももには、さらに強い力が込められていた。膝と膝を擦り合わせるようにして、内股の肉をきつく締め付ける。そうでもしなければ、下腹部で暴れ回る水圧が、今にも決壊してしまいそうだったのだ。
「じゃあ、まずは私がお手本を見せてくるね」
里子は由美の強がりを全て見透かしているかのように、ふんわりと目を細めて笑うと、百合の花を一本抜き取り、軽やかな足取りで校舎の入り口へと向かっていった。
開け放たれたままの昇降口は、まるで巨大な洞窟の入り口のように、真っ黒な口を開けて里子を飲み込んだ。足音が冷たいコンクリートの床に反響し、やがてそれも深い闇の中へと消えていく。
残された由美たちは、無言のまま正門前で待機した。沈黙が降りると、途端に夏の夜の湿気が牙を剥く。由美は、首元に下げた青い守護石――ラピスラズリのペンダントトップを、汗ばんだ指先で強く握りしめた。ひんやりとした石の感触だけが、今の彼女を現実に繋ぎ止める唯一の錨だった。
(早く……早く戻ってきて、里子……)
時間が、ひどく間延びして感じられた。一秒が、一分にも十分にも思える。由美は、周囲の女子たちに気づかれないよう、ごくわずかに腰を落とし、重心を左右の足へ交互に移動させた。下腹部の奥で、チャプン、と嫌な音が鳴ったような気がした。膀胱の容量はとうに限界を迎えつつある。恐怖による交感神経の昂ぶりが、尿意をさらに鋭く、切迫したものへと変質させていた。
幼い頃、夜の暗闇が怖くてトイレに行けず、朝になって冷たいシーツの中で絶望的な羞恥に塗れた記憶が、脳裏をフラッシュバックする。あの時の、生温かい不快感と、母親に見つかった時の情けない自分。今の私は、あの頃から何も成長していないのではないか。
「……お待たせ」
不意に、闇の中から声がした。
ビクッと肩を震わせた由美の視線の先で、昇降口の暗がりから里子がゆっくりと姿を現した。その足取りは入っていった時と全く変わらず、息一つ乱れていない。手ぶらになった彼女は、まるで近所のコンビニにでも行ってきたかのような平然とした顔で、由美の隣に戻ってきた。
「ほらね、簡単だったでしょ? 音楽室のピアノ、ちゃんと蓋が閉まってて静かだったわ」
里子のその余裕に満ちた態度が、由美の胸の内に渦巻くプレッシャーを、さらに何倍にも膨れ上がらせた。里子にできたことが、自分にできないはずがない。いや、できなければならないのだ。この場で「怖い」と泣き言を言い、あまつさえ「トイレに行きたい」などと口走ることは、小清水由美という人間の社会的な死を意味していた。
「さあ、次は由美ちゃんの番ね」
里子が、残りの百合の花束から一番綺麗な一輪を抜き取り、由美の目の前に差し出した。
「……ええ。行ってくるわ」
由美は、震えそうになる手を必死に制御しながら、その花を受け取った。指先が里子の指と触れ合う。里子の指は、夏の夜だというのにひどく冷たかった。
「頑張って、委員長!」
「何か出たら大声で叫んでねー!」
背後からの無責任な声援を背に受けながら、由美は校舎へと向かって歩き出した。
一歩踏み出すごとに、下腹部に溜まった重たい液体が揺れ、膀胱の壁を内側からチクチクと刺激する。内股に力を入れ、歩幅を狭くして、すり足のように進むことしかできない。その不自然な歩き方を悟られないよう、上半身だけは不自然なほど胸を張り、毅然とした態度を装い続けた。豊かな胸が歩調に合わせて微かに揺れるが、由美にそれを気にする余裕など一切なかった。
昇降口が近づいてくる。
中から漏れ出してくる空気は、外の生ぬるい湿気とは対照的に、古い埃と床ワックスの匂いが混ざった、ひんやりとした冷気を帯びていた。
下駄箱の前に立ち、校舎の奥へと続く真っ暗な廊下を見つめた瞬間。
由美の足は、コンクリートの床に縫い付けられたように、ピタリと止まってしまった。
闇が、蠢いているように見えた。
窓から差し込む微かな月明かりが、床に落ちた下駄箱の影を異様に長く引き伸ばし、それがまるで這い寄る無数の手のように見える。耳を澄ませば、誰もいないはずの上階から、微かな軋み音や、何かが床を擦るような音が聞こえてくる気がした。
(無理……。行けない。こんな暗いところ……)
恐怖が頂点に達した瞬間、下腹部をかつてないほど鋭い痛みが貫いた。
「あっ……」
声にならない小さな悲鳴が、由美の唇から漏れる。咄嗟に両膝を内側に強く寄せ、太ももの付け根をきつく交差させた。スカートの生地が大きく引っ張られ、彼女のふくよかな臀部のラインが露わになるが、そんな羞恥よりも、今まさに決壊しようとしているダムを堰き止めることで頭がいっぱいだった。
足の先から頭のてっぺんまで、一気に冷や汗が噴き出す。
息が荒くなり、視界がチカチカと点滅し始めた。
戻らなければ。今すぐ戻って、トイレに駆け込まなければ、本当に終わってしまう。
踵を返そうと、硬直した筋肉に命令を下そうとしたその時。
背中に、柔らかな感触が触れた。
「……大丈夫」
耳元で、甘く、低い声が囁かれた。いつの間にか背後に立っていた里子だった。里子の両手が、由美の強張った背中にそっと添えられている。ローズクォーツを胸に下げた親友の体温が、薄いブラウス越しにじんわりと伝わってくる。
「大丈夫よ、由美ちゃん。私がここで、ずっと待ってるから」
それは、慈愛に満ちた励ましの言葉であったと同時に、決して逃げることを許さない宣告のようでもあった。
里子の手が、由美の背中をごくわずかに、しかし確かな力で、前へと押し出した。
その一押しによって、由美の体はバランスを崩し、半ば強制的に、暗闇の満ちる校舎の廊下へと足を踏み入れてしまった。ひんやりとしたリノリウムの床の感触が、上履きの底越しに伝わってくる。
もう、後戻りはできない。
由美は、下腹部を両手で強く押さえつけるようにしながら、百合の花を胸の前に抱き抱え、底なしの闇へと続く階段に向かって、絶望的な一歩を踏み出した。
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